後ろ
後ろで誰かが囁いたような気がした
背中がざわざわとした
だれかがよこぎったような気がした
誰かに呼ばれたような気がして振り向いた
落ち着かない日々に
不可解な幻が動き出した
時折、私が私を認識できなくなる
時々、文字が文字として認識できなくなる
時折、人ごみの中で発狂しそうな不快感に飲み込まれる
時々、今していることを、どういうわけでしているのか
忘れてしまう
不可解な現象が私を惑わす
私は、どこへ向かっているのだろう
確かに歩いているこの道の先が見えない・・・
私は、どこに立っているのだろう
確かに踏みしめている、だがそれだけしか判らない・・・
私は、どこを見ているのだろう
確かに其処に在った何かがいつの間にか消えていた・・・
おかしい
そう思えた時には
おそらく遅かったかもしれない
私は、手首を足首を胸を首を
掻き毟り
血だらけになっていても気が付かないまま
寝ることもあったのだ
蝕み始めた狂気
鏡を見て思う
所詮、一人の弱い人か、と・・・
by死神キケロ