雫 | 梟霊のブログ

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適当に詩をUPします。
評価に、興味なし
フクロウ大好き
きのこ大好き
山菜大好き
ハーブ大好き
とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください






一言
たった、一言を伝えるだけなのに
震える
両の手
身体
なによりも
こころ
何気ない不安が
この時ばかりは
深い森へと変わり
私を、惑わす

見失ったあなたの笑顔
暗く沈む命の園の、さらに奥
ゆらゆらと浮かぶ青白い焔
追いかけて
傷付いて
諦めては
立ち上がり
微かな希望を胸に
また進む
あなたはいるの?
どこに、いるの?
見渡せど
見渡せど
どす黒い木々の根が所狭しと絡み
光すら遮る枝枝の嘲笑う声
温もりが浮かぶたびに
涙となって失われていく

いっそ
諦めたまま
別の場所へ逃げ込んでしまえば
こんなにも苦しむことなんて
無かった
でも、求めるものは
あなたの胸の中
あの時躊躇った
あの時の想いのまま
彷徨い
迷い
苦痛の果てに辿り着いた
こんなにも近くに佇む
大きな背中
太陽に照らされた
その笑顔
眩しくて
眩しくて
嬉しくて
嬉しくて
膝を崩した
差し出された大きな手の平
霞む視界にゆらゆらと広がって
ようやく捕まえた頃には
あなたの胸の中
大好きと伝える前に
愛していると伝える前に
あなたの温もりの中で
大きな声で泣いた
冷めきった心の芯まで
あなたいろに染まるまでずっと
ずっと・・・
泣き続けて
静かに、眠る


諦めないで良かった
ただ一心
何もない葉の上に集う雫のように
どこからともなく一つとなって
現れて
ほろりと落ちていく
想い
金色に染まる命の園を映したまま
陽の光の中で
やがては
消え去るのだろうか・・・


どうすれば
ここまで傷つき
眠り果てるまで
追い込まれてしまうのだろう
愛とは
それほどまでに
強いものなのだろうか
わからない
この娘の胸の内
既に果てたこの身に縋る
想いという奇跡
あぁ、ならばせめて生きているうちに
交わしたかった
約束という名の指輪
いずれ、目覚めれば
否が応でも知られてしまうだろう
なんだ
この感覚
恐れているのか
死したあの時よりもずっと
それとも
悔やんでいるのか
救えなかった
あの頃よりも
私は・・・
あぁ、私は・・・
今更になって人を愛おしいと
思えるようになった
と、いうことなのだろうか・・・

ひととき
恨みつらみも忘れ
抱きかかえた娘と共に
深淵の畔にて
月のような光を眺めた
薄れゆく記憶と体
忘れていた何かを
思い出し
捨て去った何かを
取り戻し
ありがとうと
ゆったりと散って逝く
ありがとうと
ゆっくりと消えて往く
別れというものを
惜しみながら
幸せそうな顔を
そっと手放した








by銀翼のキケロ