あの空の向こう | 梟霊のブログ

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とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

あの空の向こう






深く焼き付いた
思い出というものは
色褪せていく今とは違って
あの頃を
より美しく
より幻想的に
この両の眼の奥深くに浮かび上がる
間もなく止まってしまう
鼓動を確かめるかのように
胸に手を当てる度に
あの空の向こうを見つめ
あなたの笑顔を思い出すの
でもそれは
呼んでもいない嫌なものと一緒で
幸せと
恐怖を
同時に見てしまう・・・

あぁ・・・
最後に見た
蒲公英の綿毛が
夕陽に燃えながら
空のそのまた彼方へと消えていく様を
二人で眺めた頃が
一番の静寂をもって
幸せだったなぁ・・・

ねぇ?
あなた・・・
今も、あの空を飛んで
海向こうの敵を探しているのかしら

あなた
あなた?
あの空へ向かって
今でも敬礼しているの?

あなた?
あなた?
私も、そちらに向かうから
どうかその時は
驚かないでね?
もう私
よぼよぼのおばあちゃんに
なってしまっているから

あの空の向こうへ
飛び立つ時
あの白い白線をよく跨いだものね
その境界線が
そらにほら
高い、高いところに
飛行機雲っていうのよ?
あぁ、見ているかしら・・・
ゆっくりと消えて
真っ青な、真っ青なお空に・・・
なっていくのよ?
あなたと私を隔てていた
あの、あの・・・
白い・・・
どこまでも続いていた・・・
白い・・・
線が・・・
消えて・・・
私も・・・
そちらへ・・・
あぁ・・・
ふぅ・・・
とても、疲れました・・・
その顔にもう一度触れるまで・・・


一足早い、鈴虫の音が
家族の元へ届く時
月明かりの影で
静かに寝そべる
独りの女性(ひと)
幸せとも
悲しくとも
苦しくとも
解き放たれたともとれる
不思議な笑顔のまま
息を引き取っていた
何かを書こうとしていたのか
大事そうに握られている
小さなメモ帳に
ぐにゃぐにゃとした線が
踊っている
残されたモノには
まるで分らない
その線は
きっと
恋物語の〆の一言で在ったに
違いない・・・






by銀翼のキケロ