見雷影業
夕陽は、影を山向こうまで歩かせる
我の見えない方へ
我が見ない方へと
歩かせては
静かに消して、逝く・・・
微かに降り出した雨は
いつの間にか
滝のように轟々と唸り声をあげて
落ちていた
はからずも
我の泣き声を打ち消して
火照る頬を
赤子をあやすかの如く
優しく冷ました
時は、流れ
夢は、潰えた
あの頃はと、見つめる空には
夜という現実しかなく
夕焼けに描いたものなど
最早、灰塵となっていた
笑止、生死
何かと思えば
必ず立ちはだかる宿命
楽しいことも
苦しいことも
辛いことも
悲しいことも
幸せなことも
全ては、幻となって
虚空の果てに散ってしまう
あぁ、つまらぬ
生きようが
早々に果て様が、同じ
つまらぬ、つまらぬな・・・
想ってしまえば
あの雷の様に
一瞬の眩い光のようなもので
終わってしまえば
何も残らず
暗闇と恐怖ばかりが
ぐんと広がるばかりなのだ
どれだけの偉業を成し遂げ
石に名を刻み
歴史に名を刻み
未来永劫
語り継がれようとも
知りもしない他人が描く偶像に
我の姿など在ろうか
いや、無いだろう
やはり、我が存在が許されるのは
今この時
この時ばかりと
悟る
命というものは
生きるものの器で在り
魂とは
そこに燃える焔である
心とは
そこに浮かび上がる色彩であり
想いとは
器へ刻む己という姿である
ただ、そこに夢はなく
ただ、そこに未来はない
在るとすれば
あの星々の様に
様々な大きさ
様々な色をもって
闇夜に、存在を示すだけ
故に
生きるとは
自ら闇を照らすことで在り
闇に抗うことである
故に
死ぬとは
自ら闇へ戻ることで在り
闇を受け入れることである
あぁ、何とも億劫な世であろうか・・・
あぁ、何とも憂鬱な世であろうか・・・
by銀翼のキケロ