ひだまり
ようやく出会えた
ようやく、結ばれて
幸せという見えない
旨みを噛みしめる
一時
小春日和の空の下
縁側で猫背で眠る君を眺めた
時間がゆったりと流れ
風が、まるで子猫の様に
君の長い髪の毛にじゃれついていた
何もない
何もないからこその平穏
ただ、この場所から
時々振り返る
人生という道のり
ふと浮かんだ
君、という人のところまで
真っ直ぐに、真っ直ぐに道があったなら・・・
という我儘は
幾度となく目の前を通り過ぎ
どこぞの枯葉の様に身勝手で
自由気ままに飛んでいった
人差し指に
輝く
年季の入った指輪
僕たちはもう
おじいちゃん
おばあちゃん
日に日に、短くなっていく何かを感じながら
懐かしい
あの、ひだまりのような日々を
これから
なんども振り返るだろう
お互い何かを忘れて
あれこれ会話で補って
笑い合う
温かいコーヒーを
あとどれくらい飲めるだろう
暖かい道を
あと、どれくらい歩けるだろう
二人一緒
でも最後はきっと
一人ずつ・・・
なんだか死ぬことよりも
そっちの方が怖くて
時々、天井を見つめては
よぼよぼになった君の寝息に
耳を澄ませて
安堵していた
そして、そのあとで
思い出の場所で
二人で過ごした夢を見る
あんなこともあった
こんなこともあった
起きてしまえば思い出せないことも
夢であるからだろうか
するすると出てくる
楽しかったなぁ
楽しかったなぁ・・・
本当に、あの手の平はあったかで
本当に、君を抱きしめるとあったかで
温かくて、暖かくて
君がいるだけで
どんなに寒い冬の日だって
ひだまりの中で過ごしているようだった
なぁ・・・
あぁ、良かったなぁ
あぁ、良かったなぁ
あぁ、あぁ・・・
良かったなぁ・・・
by銀翼のキケロ