真の輪
人は、悩むものだ
どんなに単純なモノでも
納得しなければ
苦しみが待っていようとも
痛みが伴おうとも
突き進み
答えを得ようとする
人は、苦しむものだ
どんなに簡単なモノでも
理解しなければ
どんなに年月が掛かろうと
どんなに犠牲が伴おうとも
乗り越えて
結果を得ようとする
人は、傷付くものだ
どんなに単純なモノでも
受け入れていなければ
いかなる不条理であろうとも
いかなる理不尽であろうとも
迎え撃ち
己を示そうとする
なぜ人は、受け入れを拒むのだろうか
どうして人は、抗おうとするのだろうか
なぜ人は、求めるのだろうか
どうして人は、進もうとするのだろうか
星という檻の中で
生き
老いて
病に伏せ
死んでいく
ちっぽけな存在であると
理解しているのに
どうして、なぜ・・・
そこまでして
名を刻もうとする
私には、わからない
答えがあり
式もある
そのお手本すら
目の前に置いた
なのになぜ、どうして
人という生き物は
この檻を破りたがるのだろうか
守られているだけでは
満足しないというのだろうか
与えているだけでは
満足しないというのだろうか
絶対的な真実が在っても
それで良しとしないのだろうか
あぁ、わからない
掌の雛鳥よ
お前の必要な温もりは
全てあるだろう
手の上の雛鳥よ
お前が求めた血肉は
全て与えただろう
なのになぜ私の先の空を見る
あの空に羽ばたいて
何になる
飛ぶことを知って
その先はどうするというのだ
お前たちは無限ではない
幾ら知ろうとも
答えは伝わらず
抱えたまま朽ちていくというのに
疑問ばかりを散らかして
死んでいくというのに
どうして
目指すのだ
なぜ、手を伸ばす
その羽が、落ちてまで
回り続ける星々の唯一つ
人の知り得る
命は、その輪の中に在る
何もない宙の海は
塩辛い水の渦よりも
大波で
険しいものだ
人としての形すら捨てなければ
到底、渡ることも
進むことも叶わないだろう
其れこそ、一度出てしまえば
戻ることすら
叶わないだろう
届かない夢ばかり
掴めない宝石ばかりに
求め進む
わからない、わからない
わからない、わからない
わからないことだらけの
人
人類
人間
あぁ、愛おしい命の中に在って
異彩を放ち
あぁ、慈しむ光の輪の中に在って
異色を見せる
人の子よ
人の子よ
お前達は、撫でるだけでは
満足しないのか・・・
見せるだけでは
物足りないのか・・・
私に、その理由(わけ)を教えておくれ
私に、その意思を聞かせておくれ
限りある命を懸けるにふさわしい
その答えを
謳っておくれ?
この手が、この口が、その背中へ
行ってらっしゃいと
言えるように
by銀翼のキケロ