夢の中
私は飛んだ
私は、落ちた
知らぬ間に
知らぬ間に
どこもかしこも
青と白の世界だけ
私は、飛んだ
私は、落ちて羽ばたいた
見知らぬ世界で
見知らぬ空間で
どこまでも
いつまでも
蒼い空と
真っ白な雲の狭間を
自由に、自由に
駆け抜けた
私は、飛んで
私は、羽ばたいている
どちらが上で
どちらが下か
区別のない
不思議な世界
月と太陽の輪舞
共に在るはずのない
輝きの螺旋
どちらを目指そうとしても
芯から外れることはない
クルクルと楽しそうな両者を眺めながら
真っ直ぐなのか
曲がりくねっているのかもわからない
行き先に
羽をたたみ
延々と落ちてみた
延々と、眺めてみた
確かに風は、鋭く冷たい
ただ、其処に終わりというものはなく
それが、また怖いと思えた
どこまで行くのだろうか
どこまでも、行くのだろう
永遠に続く空というものが
何もない、空っぽだと気が付いた時
それが夢で
その中にいるだけだったと思い出した
自由という夢が、初めて零になった
自由という希望が、初めて何処かへ消えた時
私は、また地に足を付け
鎖で縛られたような世界を受け止め
先ほどまで飛んでいたであろう空と
その先の日の出を
虚しい心地を抱いたまま
見つめていた
by銀翼のキケロ