成れの果て
後悔という感情が無ければ
人は、反省をしないのだろうか
執念という感情が無ければ
人は、進歩することができないのだろうか
羨む感情が無ければ
競うこともせず
愛という感情が無ければ
守ることも、繋がることも
出来ないのだろうか
慈しむ感情が無ければ
許すことも、支えることも
出来ないのだろうか
なぜ、逝ってしまったのだろう
なぜ、言ってしまったのだろう
なぜ、行ってしまったのだろう
闇雲に繋ぎ合わせただけの一言で
悲しげに顔をゆがめ
憤りを瞳の奥に光らせた
笑いの奥で見え隠れする
深い、深い影
君は、一体何者で
何のために明日を目指していたのだろうか
つるされた空の器が
虚しく揺れる
夕暮れに
響く、親しき者たちの叫び
晒された終焉に
出来ることは何もない
黒く伸びた影から
それを眺める
あぁ、くだらないと思いながら
他人事
他人事
それだけでは済まされない
無駄な、仲間意識が
後の祭りに関わらず
騒ぎ立てている
滑稽だ
救える命
救うべき命
無力さに打ちひしがれる
無意味な情念に、引き付けられ
同情が、波となり
風となり、瞬く間に広がったと思えば
使い捨ての駒の様に其処ら中に転がって
忘れ去られ、踏みつけられている
好きで、異なるものに成ったわけではない
自ら進んで、異形なものになってはいない
それでも、知らないものには
恵まれて見えるのだ
甘やかされているように、見えるのだ
あぁ、なんとくだらない
なんとくだらない事か
文明により、遠くからでもその光景を見たであろう人々の
関心も、同情も
ひとえに、いち遊び同様
飽きてしまえば、どうでもよいこと
ましてや、己が不幸と思えば
すべて失い、施しを受けるものすら
攻撃する図太さよ
みあげた絆とは、このことよな
同じであって同じではない
人が、人として生まれた
成れの果てが
この姿か・・・
やはり、生まれて来るべき時と場所を
間違えたと言っても
過言ではない
世の中になってしまったのだな
小さな覚悟
大きな決断
葛藤したであろう一瞬
あとは、後悔だけの一時に
空を見上げた虚ろな眼差しの
宙の人
空の人
動かぬ、動けぬ、動かさぬ
泣きわめく人に
気が付かぬまま
旅に出た姿
お疲れ様の一言でも
かけてやればよかったのだろう・・・か?
by死神キケロ