砂の心
月が出た
雲一つない天上に
丸く
丸く
銀色に輝く
月が出た
なのに全てを蒼色に飲み込んで
悲しみの海へと沈めてしまう
あぁ、冷めた手を握るこの時ばかりは
泣いてもよろしいですか・・・
目の前に
横たわる人も
それを見届けた人も
眺める私も聞かれた人も
皆、時を止めてまで
動こうとはせず
俯くばかり
一室に響き渡る泣き声の方が
私の鼓動よりも静かで
なにか、そう・・・
どこか、そう・・・
大切なモノを呼び起こしてくれるような
波打ち際にでも居るようだ
ただ、それも
我に帰れば、失うばかりのどうしようもない人生なのか
帰路
この世界全てが砂海の様に錯覚した
溢れ出ぬ涙を
無理矢理にでもひねり出そうと
見上げ見上げるも
虚しさで溜息をつく
この繰り返し
なにも、その時ばかりで良いものを
揺れ動く感動にもにた衝動が
いくら心に流れ込もうとも
何所かもわからぬ地中深くへ吸い込まれ
私は、乾いたまま
風の向くまま
さらさらとして
世を彷徨うのです
そして、気が付かぬうちに
砂は心に、心は砂に成り果てて
きっと誰かが触れた時
先の逝人のように
おもむろに
脆く、脆く、崩れ行くのです・・・
by銀翼のキケロ