幻泉
あぁ、早く壊れないかな・・・
あぁ、早く、壊れてしまわないかな・・・
ぽつり、ぽつりと
降り出した
雨のような言霊は
森を携えた魂を潤していく
けれども
澄んで久しい泉は
入り込む泥や落ち葉で
濁りだした・・・
あぁ、早く終わらないかな・・・
あぁ、早く、終わらないかな・・・
次第に大きくなる
次第に、大きく木々を撫で始める
熱く燃え栄えた魂も
涼しく冷めて、現実とは違う命を湛えた魂には
心地よいものとなってゆく
けれども
生まれては泉の上に輝く
詩の泡は、脆くも夢と果て逝く
あぁ、早く逝きたいな・・・
あぁ、早く、逝きたいな・・・
孤独に耐えて
絶望に耐えて
現実に耐えて
ようやく手に入れた一つの道も
携えた森と共に崩れ
形を変えていく
あっけなく
あっけなく
行き止まりと成り果てる
戻ることの叶わないその道を
作り直すのか・・・
戻ることすら不可能なこの道を
飛び越えるのか・・・
それとも
それとも、また、道なき道へと
進まなければならないのか・・・
聞こえるもの
見えるもの
味わうもの
全てが、卑屈に螺旋曲がり
私という人間を、創り変えていく
悪しく、とても、悪しく
あぁ、詩が聞こえない・・・
あぁ、詩が、生まれない・・・
身体を貫く
痛み、苦しみ
逃れる術をようやく掴んだのに
掴んだ筈なのに
今は、何もない泉
流れ込む理不尽という泥
掻き乱されて渦を巻く姿
招かれざる雷は、何に歓喜の声を上げるのか
あぁ、憎い
あぁ、鬱陶しい
あぁ、五月蠅い
早く帰れ
早く、返せ
これは、私の泉だ
私の幻想を湛えた
光に溢れ、影に応えた
私の泉なのだ・・・
渡さない
渡してなるものか
決して、決して
by幻想師キケロw
詩が生まれ、完成前に壊れる。一回なら諦めるけど、何度も続くと歯痒いものです。