白線
その人を、背に
歩き始めた
その人の声を背に
進み始めた
人は変わる
変わり続ける
心も
身体も
死ぬまでずっと
変わり続ける
今、世界が憎くても
死ぬ間際に、感謝するかもしれない
今、この瞬間が幸せでも
別れ際に、恨んでいるかもしれない
だからきっと
この状況もそうだと思う
僕が、何かに気が付いて
僕が、変わり始めたということ
同じようで違うものに変わり始めたということ
きっとあの子も気づいているころだろう
静かな時間に、欠けたものがある
冷めていく空気が其処に在る
楽しい夏が終われば
想いに更ける秋がある様に
春も、冬もある
けれども、其処に在るものは永遠じゃない
次の春には、折れてしまっているかもしれない
切られて亡くなっているかもしれない
別なところに移動しているかもしれない
君の心の目の前に在った大樹だって
結局は人の幻想
君が、変わりを幾らでも作るなら
僕は、それを見せ続ける必要なく枯樹に戻るだけ
でも、ね?
一言、伝えておくと、ね?
待っていたんだよ?
ずっと、本当の笑い声を聞かせてくれる
そんな時が来るって信じて・・・
ただし、結局は僕の身勝手な思い込みだったみたいだけど
だから、急には消えない
出会えたことに感謝しているし
知ってしまったことに後悔もしているから
ゆっくりと
ゆっくりと
離れていくよ?
泣き虫な君
甘えん坊な君
優しい、優しい君
温かい君・・・
それを理解した僕からの
せめてもの慈悲として・・・
願わくば
この背中が、声を受け止めているうちに
越えてきてくれれば・・・
故意に引いた
君と僕を分かつ白線
其処に壁などないことに
気が付いて欲しいもの
最初に振り向いた時
まだ閉じこもって甘く泣き続けていた
思い出すあの時の会話
でも、今の僕には切り捨ててしまう鬼がいる
どちらが影で
どちらが光とか
どうでもいい
同調していようがいまいが
関係ない
その意志を見せて
自分自身を絡めとる甘えを捨てて
人になろうよ
支え合える、人にさ・・・
睨み付け突き放すしか
今の僕には出来ないんだ
ごめんよ?
僕の人生を削ってまで
手を差し伸べることはしない
「死体に、手を差し伸べても無駄なことぐらい。誰だって知っているからさ」
じゃあね・・・
by幻想師キケロw
死んだ者は生き返らない
微かな希望があるからこそ
救応と努力する
死者に口づけなんて、誰だってしたくない
親しく愛した者を除いて