さがしもの | 梟霊のブログ

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適当に詩をUPします。
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山菜大好き
ハーブ大好き
とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

さがしもの



ちがうの・・・
これじゃないの・・・

これでもない・・・

こっちでもない・・・

ちがうの・・・
本当に、ここにあったんだよ?
これじゃない
これでもない・・・
あれ?
おかしいな
どうして?

真っ白な服を着た
真っ白になってしまった少女は
真っ白に埋もれた中から
微かな
朧げなものを頼りに
なにかを探している
真っ暗な中でも
見えないという事柄すら解らずに
がらころ、がらころ
探し続けている
暑いということもない
寒いということもない
がさごそ、がさごそ
散らかしては
また集め
蹴飛ばしては
また、集めて
一から探す

何を探しているの?

私は、少女に聞いた
少女は、こちらを振り向くことなく
答える

温かくて
力強くて
柔らかくて
おっきくて
安心できて
なんかこう、いっつもね?
私の中に居たの・・・

その横顔は、いつ泣き出してもおかしくない
その横顔は、いつ怒りだしてもおかしくない
時に哀しそうに
時に、懐かしそうに
ガラクタを眺めては
違うと言って
投げ捨てた
不思議と、それがこちらに来ることはなく
壁のあちこちに穴を開けては
ころころと散らかる
繰り返し
繰り返しては
延々と動き続ける
もう、朝だよ?
もう、夜だよ?
そんなもの少女にはないらしい

ねぇ・・・

諦めよう
そう告げるつもりで
背中に、手を置いた
すると、急に動きを止めて
背筋をピンと伸ばした
何も言わず
振り返ることもないまま

ごめん・・・

そっと手を離した
すると、強い口調で
もう一度
手を置いてと
叫んできたんだ
怒鳴る様に
確かめているようにも聞こえた声
恐る恐る、触れた
部屋の中の時間が
ぴたりと止まったかのよう
それまで蠢いていたものが
無くなって
シンと静寂が漂う

在った・・・
見つけた・・・

ぽそりと言った気がした
とすんという音が
僕の胸の中から聞こえた

さがしもの・・・
在った
見つかった・・・

ぎゅっと、しがみ付く様に
抱き付いて
胸に、顔を埋めながら
ぼそぼそと
言った

それもそうだ
僕は、さがしているものを知っていたし
さがしものがなんであるかも理解していた
真っ白になった少女は
僕の、大好きだった女の子さ
大粒の涙が
ぼろぼろ
ぼろぼろと
溢れ、零れていくのがわかったころには
もう、少女を
抱きしめ返していた
掠れた声で
お帰りと何度も言って

さがしものあった
あなたのて
さがしもの、あった
あなたのむね
さがしもの
あなた
そう、だよね?

無邪気に喜び
無邪気な片言を添えた
嬉しさに溺れる僕は
後になって
シャツの真ん中が
うっすら濡れていたことに
声と裏腹に
少女も、涙を零していたのだ
多分、なにも覚えていなくとも
きっとどこかで
なにかを感じていたのだろう
手を繋ぎながら帰る夜道
今度こそ
この手を離さないと誓った
ただ、これも
明日になればまた
同じ
なんども、なんども
繰り返す
君が、色を取り戻す時まで
僕は、正気を保っていられるのだろうか
隣の笑顔に、昔の面影を
何となく探す自身がいた





by幻想師キケロw