時
何かが違う
その背中を見つめ
追いかけて来たからこそ判る
違和感
聞こえてくる言葉
声の中に重さはない
それがなぜか
悲しいと僕の心は叫んだ
目標となっていた人が
一休み
まだまだ、眼の前を走っているものと
考えていた
けれども、今は
遠く、遠くからしか聞こえてこない
僕はまだ、届いていないんだ
僕は、まだ追いついていないんだ
なのにどうして・・・
もう終わりだからと連呼して
晴れやかに
諦めたかのように
笑って言ってくる
聞きたくないその言葉
他の誰よりも聞きたくない
どうでもよくなったという答え
やめてくれ
冗談でも
最後まで、走り切ってくれ
その姿が、一生輝いて
僕を、どこまでも引いてくれる
そんなに背中を丸めないでくれ
最後の最後まで
堂々とそこに居て
まだまだと言ってくれよ・・・
時が何とかしてくれるなんて
みっともなく流さないでくれ・・・
まるで学んできたものが嘘になってしまうじゃないか
まるで信じてきたものが紛い物のようじゃないか
それは
いくらなんでも
在り得ないだろ
暗闇が広がりだした
いつも厳しく
教えてくれた人が
居ない時間
月のない夜空を眺めているようだ
まだまだ未熟であると教えてくれた
まだまだ伸びると背中を押してくれた人が
定年という一区切りを目の前にして
変わってしまった
いつもの何も変わらない
普段と何も変わらないはずなのに
流れてくる全てに
違和感を
苛立ちを覚えた
何よりそれを嫌った人が
それに倣うかのように
変わっていく様が
うろつく
信じたくない僕は
初めて、その人の陰口をたたいた
言いたくもない
悪口でさえ、零すようになっていた
by幻想師キケロw