銀色の空
静寂は、平和の鼓動か
嵐の前触れか
どこまでも伸びだ
灰色の雲に
朝日が昇る
黄金になるはずのその空は
いつまでたっても銀色で
いつまでたっても動くことはなかった
想えば、それが
私の中で
最後の静寂であり
始まりであったのかもしれない
月の影は
黒くなることはない
漆黒すらも白銀に染め上げ
私の胸に輝く
銀の羽のペンダントも
きらきらと儚く揺れている
眠る日が来るのだろうか
眠れる日々はやってくるのだろうか
震える手足を
怯える母の懐に忍ばせて
顔を埋めて
闇に身を潜めたあの日
いつのことだっただろうか
ゆっくりと冷めていく
母の身体が在ったのを
私の全てが覚えていた
廃墟となった故郷を
野良犬と共に彷徨う
甘えられても
吠えられても
噛みつかれても
与えるものなど何もない
互に痩せ細り
互に抱きしめ合う
静寂とは無縁の
吐息の音が、皮肉にも
互いの拠り所であり
それが無ければ
日々を越える力すら
無かった
遠くの地鳴りも
近くの雷も
どこかの影に隠れ
ひっそりと通り過ぎるのを待った
何が起きているのか
何があったのか
大きくなってから理解したが
あの頃は
何気なく
銀色の空を見上げ
ただ、すべてを憎むことしか
出来なかった・・・
by幻想師キケロw