孤り立つ(ひとりたつ)
ひとびとがあいにうえるなか
わたしはひとり
おかにたつ
どこのおかともしれぬ
そのばしょは
はいいろのきりにおおわれて
ましたのくさのいろしか
わからない・・・
だが
ここがおかだというのは
たしかだ
かすかにかおる
きすげのはなのかおりが
ゆっくりと
ほほをなでてている
ほのかにかおる
しおのかおりが
やわらかに
わたしのあたまをなでている
ずっと
もうずっとむかしに・・・
そのばしょはなくなった・・・
ないても
いかっても
もどらず
人の家というものが
ならんでいった
あぁ、そうか
ここは、あのばしょで
このせかいは
あのときのもの
まだ、このこころに
しあわせというものを
だきよせることのできた
あのときの、もの
あのときのおかだと
気が付くまでに
時間はかからなかった
ただ・・・
無性に
このしずけさが
かなしくて
かなしくて
こえもださずに
泣いていたんだ
めざめてしまえば
つぎ、このばしょに
たつことができるのか
さだかではなかったからだ
すきで
だいすきで
わたしがあいした
このばしょに
ふたたびおとずれることができる
その確証がなかったからだ
あぁ、いつまでも
いつまでも
このせかいが
わたしのとなりにあればいいのに・・・
さむさにからだをねじらせて
くらやみのなかに
孤り立つ
ゆめであったはずなのに
ほほはあついなにかに濡れている
なにかに歯を食いしばり
必死になって
また、流れ出そうになるのを
こらえた
うしなったもののおおきさが
せなかをたたく
まるでそう
こいびとのように
いたわりながら
なのに私は・・・
いつくしむことも
いとおしむこともせず
すがり付いてくる思い出を振り払って
冷たさの中に身を置いた
生き続けるために・・・
by幻想師キケロw
朝起きた直後、泣いていたことがある人は何人いるのだろうか。
それも、どうして泣いていたのかも
思い出せない
不確かな感覚に首を傾げて
一日を始めることのもどかしさ
それを、体験した人は
何人いるのだろうか・・・
ちなみに
私は、無いのだけれど・・・