足跡
その足跡は
僕の家の前で躊躇っていた
行ったり来たりと何度も往復し
なんども止まっていた
再び降り始めた
雪に覆い隠されるまで
君の代わりに
僕に
伝えていたんだ
大切なことを
寝間着に
ただ一枚の上着をはおり
まだ遠くに行ってないと思って
サンダルで
出た
街灯を何度もくぐった
そこから上がる冷たさ
雪も
次第に強くなっていく
あぁ、もっと早く気が付けばよかった
深い闇
誰もいないバス停に腰かけて
ずるずると引きずった自分の足跡を
眺めた
息が白い
溜息が零れたからか・・・
後悔というものが
この雪のように美しいものだったなら
現実というのは
この冷たさなのだろうか
静かに立ち去った
その意味を
知っていた
けれども
最後くらい
向かい合って
笑って
さよならって言いたいだろ
理不尽な運命に
流す涙
出尽くしたころ
静かに立ち上がり
家を目指した
そこには、足跡のない
真っ白な道がある
それだけだった
by幻想師キケロw