帰らない黒猫 | 梟霊のブログ

梟霊のブログ

適当に詩をUPします。
評価に、興味なし
フクロウ大好き
きのこ大好き
山菜大好き
ハーブ大好き
とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

帰らない黒猫
(′・ω・)第十話、暇な猫(そのさん)




 暇だ。どういうわけか暇なのだ。かと言って、横になったところで眠れるわけでもなく。じっと、なんとなく見渡している。弥勒の妹も、下に降りたきり上がってくる気配はない。うむ、どことなく出かけたい気分である。
 時間は、過ぎるもの。私は、弥勒の部屋でとある書物を読んでいた。お題は、さんざん言ってきたんだ。言うまでもない。と、その時。弥勒の母の声が家中に響いた。どうやら夕食の買い出しのようだ。留守を、妹君と私に頼むと言う。そっけない返事をする妹君とは別に、私は好機とばかりに弥勒の部屋を飛び出した。
「あら?黒ちゃん、珍しいわね?どうしたの?お留守番、嫌になっちゃった?」
「にゃぁ~~ん」(いやそういうわけでもないが・・・暇でな・・・。)
「う~んどうしよう・・・。迷子や事故に合っても困るけど・・・。リコちゃーん、ちびちゃんどうしてるぅ~?」
すると、居間の方からテレビの雑音に交じって怠そうに応える声がした。
「え~?こっちの自分の布団で寝てるけど・・・。」
「じゃあ、そっちの子、頼んでいいかしら?」
「は!?なんでさ!!面倒だから嫌!馬鹿猫いるからいいじゃん!」
「それが、お外出たいみたいなのよ・・・」
「在り得ないなんなのそれ!首に紐つけてこっちに繋いでおいてよ!」
「もう・・・、我儘ね。パソコン返却延長しようかしら・・・。」
「・・・・。解った。好きにしてよ・・・。」
「あらそう!よかったわね黒ちゃん!」
「・・・・・・。フン」(ざまぁみやがれ!)
「あ・・・どうせなら・・・。」
「ふみゃ?」(?)
ぱたぱたと玄関から再び、家の奥に入っていく弥勒の母。上機嫌な鼻歌が聞こえてくる。戻ってくると、手には小さなへんてこなものを持ち、嬉しそうに近付いてきた。かがむと同時に私の前足を持ち上げ、片方ずつに何かを通し、腹にも何か巻き付けて、背に袋状のものを固定した。訳も解らず、じっと顔を見つめていたが、なんとなく予想した。これは、なにか仕事をさせるに違いないと。
「まぁ!ぴったりね!ニンジン一袋くらいなら運んでもらえるかしら?ふふ。」
まぁ、暇で在る以上、何をしようが構わないが、私の髭はなんとなく嫌な予感がして
ぴんと伸びきったまま前に突き出ていた。