帰らない黒猫 | 梟霊のブログ

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帰らない黒猫
(′・ω・)第十話、暇な猫(そのいち)



 賑やかな日常というものは、どうしてこうも忙しなく動いているのだろうか。どうしてこうも一日というものを縮めてしまうのだろうか。疲れてしまう代わりに、気が付けばもう明日がそこに在る。先日の勉強会というものを思い起こしながら、私は逆さまになった空を眺めた。すると、ボスンという気が抜けた音と同時に大きく視界が揺らいだ。そふぁという何とも心地よい椅子に、私と、私の腹の先に弥勒の母が共にいる。家事仕事もひと段落したのだろう。少し冷たい手のひらで、私の顎下と腹を撫でてくれる。あぁ、まだ蝉泣き止まぬ夏の真っ盛り。心地よいものがまた、一つ増えて視界をゆっくりと閉じていく。
 次の日、次の日、またまた次の日。弥勒は、終始学校というものに入り浸っている。休みというものは、まだまだ有るはずなのだが、赤点というものはそれを消滅させる効力があるらしい。一方で、妹君はあの一件のあと彼に何かを感づかれたようで、あまり詳しくはみていないので話すに話しにくいのだが、どうやらあの時つけていた首輪に関係するらしい。ぱそこんというものを、取り上げられ、さらにはそれを取り寄せたことが晴れて両親のお膝元にさらされ、父親はともかく母親にこっぴどく絞られていた。あれから、まるで刈り忘れた麦の穂のようにふにゃけている。チビは、相も変わらず私にくっついて離れない。弥勒の母が、買い物やら美容院やらで居ないときは、私に、寝る暇さえ与えてはくれないほど。まぁ、こいつが来てから結構日にちは経っている。遊びたい盛りであることも理解している。だが、どうにもこの暑さ寒さというものに体が慣れていない。空腹もだ。いろんなところを歩き回っていた頃は、見えるわけでもなし、感じるわけでもなし、痛みというものだってない。それが、何の因果なのかここにきて、まるで蘇ったかのような日常をおくっている。だからなのか、疲れるし面倒くさがる私が居る。
「黒ちゃーん。ごはんよー。」
「・・・・。にゃぁ~ん」(はぁ・・・やっとか・・・)
今では、家猫と呼ばれることに誇りさえ生まれようとしている気がする。前までは、あれほど苛立ったものだが。