遠く
窓の外は、青い空が広がっていた
蝉の声が、煌めいていた
僕は、ぼうっと天井を眺め
真夏の休日という時間を
貪っていた・・・
閃くその瞬間まで
遠く
そうだ、遠くに行ってみよう
漂うだけでなく
自分から進んでみるのも
在りなのかもしれない
単純な服装で
車へと駆けこんだ
まるで子供のころに戻ったかのように
はじける思想
舞い上がる鼓動
エンジンが唸る
どこへというわけでもなく
ただ、走らせてみた
街中を過ぎて
遠く
遠く
山の中
海を見据え
遠く
遠く
どこまでも
空が続く
緑が広がる
そうだ
裏の道に行ってみよう
どこまでも広がる田畑
ところどころに居る牛の群れ
あぁ、なんというか
夢の中に迷ってしまったかな
気持ちいい
心地いい
土の香り
潮の香り
どこかで咲いたラベンダーの香り
飽きることなく
目まぐるしく
眩しく
全身を突き抜ける
もっと
もっと遠くへ
知らず存ぜぬ人々の横を通り抜け
お気に入りの曲を流して
笑い笑って
気が付けば
もう、終わり・・・
現実に落ち着いて
夕日を背に、帰路につく
自分でも判らないくらい
遠くへ来てしまったと
呆れた
でも、後悔はしない
楽しくて
楽しくて
僕は、どこかを飛んでいたのかもしれないから・・・
鼓動が余韻を持て余し
頬を緩める
今日きっと
いや絶対
夢に出てくるだろうなと
考えてしまうから
by幻想師キケロw