刹那
僕は恋をした
僕は、愛を知った
僕は、好きなり
誰よりも、大人の世界に踏み入れた
錯覚を見ていた
ある日の冬
小さなことで
その幻想が崩れた
何も知らずに
見上げた空は静かで
灰色だった
いったい今まで何を見てきたのだろう
過ごしてきた時間の全てが
無駄であったかのように
真っ白に
真っ白になった
刹那
よぎったもの
それは、後悔よりも寂しいという気持ち
一点だけ
足跡だけの雪原の向こうを眺め
たった一人になってしまった現実は
本当に
何もない空間なんだなと
青空を溶かした涙を
ぽつり
ぽつりと
流したんだ・・・・
by幻想師キケロw