走れメロス
思い出を走ることが多くなった
幼い日に眺めていた世界
その大きさと
その広さ、輝き
そして、仕切られた小さな人
今、同じものを読んだとしても
あの頃のようにわくわくするだろうか
高揚し、野を駆け回るだろうか
何が楽しくてとか
何になりたくてとか
そんなもの抜きにして
あの雲を追いかけて
行けるのだろうか
走れメロス
走れメロス!
何度も何度も
口ずさみながら・・・
大人の世界は真平らだ
見上げることよりも
俯く事の方が多い
だけど、その平坦な道を
どこまでも駆けようとは思わないし
考えもしないだろう
体中を傷だらけにしても
凸凹した野を駆けたというのに
アスファルトの上は走らない
雲を見上げながら
走ることは無いんだ・・・
メロスよ
お前の信じたものは
この世界に在るのだろうか
お前が走るだけの信物は
この世界には在るのだろうか
私は、無いと思うよ
なぜなら
見上げても
灰色の世界しか見えないのだから
思い出を旅することが多くなった
幼い日に眺めていた世界
その鮮やかさと
その広大さ、輝き、雄大さ
そして、虫食いだらけの小さな絵本
今、同じものを見つめたとしても
あの頃のように希望を持てるだろうか
追いかけること諦めて
歩き出すことすら億劫になる
この現実世界で
メロスよ
君と同じように
誰かのために
誰を信じて
己を信じて
走ることがあるだろうか
あの真直ぐで熱い夕陽を見つめながら
その影を踏み越えて王の元へ
あぁ・・・
私も
いつか
いつか・・・
信じることを取り戻したい
この心に空いた
穴を埋め戻し
あの思い出の中の私と共に
あの空まで
あの雲を追い駆けたい
by幻想師キケロw
最近、小説にはまっております。今風ではなく、夏目漱石、太宰治、宮沢賢治などなどなんでなんでしょうw