幻想の人影 | 梟霊のブログ

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絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

幻想の人影
 
 
 
何もない雪原に
僕は生まれた
冷たさも無ければ
溶ける事も無い
不思議な雪に在るのは
小さな、小さな手足の跡
見上げれば
雲ひとつ無い
蒼く、青く、碧く
透通った空ばかり
どうしてここにいるのか
なぜ此処に着たのか
思い出せず
解らず
大声で、泣いた
太陽が、それを温かく包み
それでいて静かに僕を眺めていた・・・
 
 
進む
進む
ふらふらと
頭を左右に揺らし
途方も無く広い
果てしなく白い
どこまでも続く雪原を
 
進む
進む
ふらふらと
肩を上下に動かし
より早く
より遠くを目指すために
膝を突くことを辞めた
 
進む
進む
さくさくと
息を切らして
何かに笑いながら
ひたすらに
進む
 
ふと、何かが過ぎる
立ち止まり
何かを思い出せそうな気がして
振り返った
大勢の知らない顔が
うっすらと笑みを浮かべ
こちらに手を振っていた
はて・・・
誰だろう・・・
戻ろうと足を前から過去へ
踏み入れた
だが、深く広い谷が邪魔をした
今まで通れたはずの場所
今まで平坦だった場所
それが無くなった
どれだけ、行く方法を探し
走っても
戻る術など無かった
 
進む
進む
とぼとぼと
どうしても思い出せない
なんだかずっと
ずっと前にもこんなことがあった気がして
僕は
泣いていた
気がつかないうちに
ぽろぽろと
心が熱くなる
声を出したいのに
押し殺して
何かに耐えていた
悲しみでも怒りでも
憎悪でも愛おしさでもない
もっと特別な
そう、特別な一時のために
そう、特別な、一時のために・・・
泣いていたんだ
 
再び振り向いた
たった一人の女性が
微笑んでいた
溢れ出る感情に
膝を突いて
なんどもなんども
ぬぐった
逢いたかった
会いたかった
そう思えたから
けれども其れが幻で
歩いてきた足跡だけが
どこまでも伸びている
ここまで虚しさを覚えたことはあろうか
やがて
進むことを止めて
横になって空を眺めた
だんだんと眠くなっていく
だんだんと遠くなっていく
 
足跡はそこで途切れ
確かに存在したはずの青年の影は
どこにも無い
あおとしろと静寂の世界は
いつまでも
存在の余韻に浸っていた
誰も覚えていないであろう
彼の夢
彼の声
彼の足跡を
永遠の中に刻み込んで
 
 
 
 
 
 
 
by幻想師キケロw
 
なぜこの詩が幻想の人影なのか・・・。その答えを理解したとき、あなたも影になるのだろうか。