砂浜
日陰ばかりを歩いてきた
振り向いた其処に
足跡と呼べるようなものはなく
切なさだけが
群青色の茂みから
滲み出ていた
そんな僕を見つけ
手を差し伸べた君
知れば知るほどに
まるでそう
砂浜を歩いてきたように
思えてしまう
憎悪から来る嫉妬ではなく
初めて
羨ましいという感情からくる
嫉妬を覚えた
けれども・・・
その邪な感情でさえ
今はただ
ころころと
波に遊ばれてしまう
なんだろうね
この温かさ・・・
少し強く握った君の手を
持ち上げて
眺めた姿を
笑う声が
いつまでも
いつまでも
響いていた
真っ白なその手に
シルクのような指先に
銀色の石がはめ込まれるまで
その声はやむことが無かった・・・
by幻想師キケロw