夢見た先は雲
雲を眺める
いつまでも眺める
ゆっくりと姿を変えていく
表情を変化させていく
それが楽しくて
どこまでも追いかけて
眺めた
汗だくになった夏休み
山向こうの雲が
ゆっくりと立ち上がり
ピカピカと手を振っている
着慣れない夏衣装にギクシャクしながら
君と手を繋いで
屋台の行列に
声を上げた
月よりも明るく
虫達よりも賑やかで
眠る前の
線香花火は
魔法のように光っては
消えていった・・・
ごろごろと過ごす
最後の日
やることも
やるべきことも
手につかず
ただただ、見つめた空の雲
遠くに聞こえる蝉の声
にじみ出る汗の感触
ふとチラついた大人への焦燥感
考えばかりが膨らんで
夢ばかりが大きくなって
気がつけば
すべてが曖昧で流れてしまう
大人ってなんだろ
大人ってなんだろ
湧き上がっては
時間にかき消され
湧き上がっては
大人に、かき消され
何処かへ去ってしまう
ふと気がつけば
夢がまるで雲のように思えて
しょうがなく笑ってしまった
目の前に在ったはずの本物も
いつの間にか小さくなって
消えてしまった
あぁ、僕はどんな大人になるのだろう
あぁ、未来はどんなに素敵なものなんだろう
定まらないけれど
いつかは
あの大粒の雨粒のように
形となって降り注いでくれるかな
乾いていくこのこころを
潤してくれるかな・・・
思い出に残る
夢見た先の雲
あの頃からいったいどれだけの月日が
経ったというのだろうか
あいも変わらず
雲ばかり見つめ
いい大人が
子供達と混じり大声で笑う
でも、やっぱり解らない
この状況を
あの時望んでいたのだろうか
願っていたのだろうか
今度は
疑問ばかりが膨らんで
不安ばかりが大きくなって
真っ黒で
真っ黒な大きな雲になって
現実を打ち付ける
あぁ、所詮は幻
美しく見えた雨粒も
どんなに重く痛いものになったか・・・
馬鹿だったかなと苦笑いを重ねる日々を過ごす
潤いすぎて
草木も枯れた
このこころには
眩しくて邪魔だった日差しが
必要のようだった・・・
by幻想師キケロw