幻想の旅人8 | 梟霊のブログ

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とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

幻想の旅人8
 
 
砂漠・・・
音もない砂漠
砂埃だけが
ピシピシと衣服や露出した部分に当たり
かすかな痛みを伴う
周囲を見渡しても
誰もいない
僕ただ一人
気がついたらここにいた・・・
 
空には雲一つなく
どこまでも吸い込まれるような
青が描かれていた
歩き出す・・・
カサカサの大地を感じながら
暑さも
風も
見るだけしかわからない
この世界を
ふわふわとした
体をスライドさせながら
どこまでも
幻の足跡を残して・・・
 
どこまで
いつまで
そんな普段の問いかけなど
虚しいと思えた
広大な砂漠の真ん中で
静寂と語り合いながら
僕は進む
黄金の大地を踏みしめ
砂嵐が幾度訪れただろう
だが
そのたびに
過ぎ去った時の砂漠は
美しく見え
立ち止ざるには居られない
そこに
まるで小麦畑が広がったかのような
美しさだったから・・・・
 
小さな水辺
それが遠くに見ることができた
ゆらゆらと砂漠を泳ぎ
私の足を惑わせる
別に喉は乾かない
何時間
何週間
何年歩こうが
この体では死ぬことはない
ただ、
そのキラキラとした宝石のようなモノを
間近で見たいと思ったから
僕は目指す
右にふらふら
左にフラフラ
ふっと消えたかと思えば
今度は違う方向に見える
何も壁などありはしない
遠くまで見据えることができる
だが、いっこうにたどり着くことはない
砂漠が
隔絶された迷宮のように感じ
太陽が
ギラギラと僕を抓っているように思えた
 
あきらめない
あきらめない
ずっと念じた
サクサクと音を立てる
空っぽの風の音
突き刺す光の槍
そんな幻を
自らの中に創り出しながら
僕は、すすむ
宛もなく
そこに見える夢を追いかけて・・・
 
ようやく、たどり着いたとき
この砂漠は夜になっていた
黄金の大地が
白銀の丘へと姿を変える
天空には宝石があふれ
そして
この水辺に降り注いでいる
巨大な月を中心にして
僕は水の上に立っていた
影はなく
僕は、鏡のように
僕を見ることはできなかった
当たり前のことだ
現実なら水面の上に立つことすらできない
砂漠を延々と歩くことすらできない
分かっていたことだ・・・
ただ・・・
余りにも美しいこの風景を
全身で感じていたかった
それだけだった
幻の作った涙が
一つ、水辺に落ちた
それに合わせるかのように
波紋がひとつ
外へ外へと広がっていった
宝石たちを揺らしながら・・・
 
目覚めると
そこはいつもの部屋
心に吹く風が乾いた部屋
たった一人の
部屋
でも、
あの夢と同じものが
カーテンで柔らかくなって届いている
太陽の光
そして、
まだ沈まぬ
青に隠れた月の光
僕の心は一体どこまで行くのだろう
夢の残り香が
かすかにざわめいた・・・・