1冊目はきっとおわかりでしょうね。八咫烏シリーズ第1部完結編の6冊目です。
5冊目で現代の人間社会が出てきてあれれと思ったら、ちゃんと6冊目で繋がっていました!
八咫烏の住む世界と人間界は表裏一体だったのです。だから志帆に捨てられたと思い込んだ山神が、人里へ出て行き、
志帆の住む町を落雷で破壊し尽くしてしまったりします。志帆も雷に打たれて死にかけています🥲
中央に開いた穴から猿が入ってきて八咫烏達と最終決戦が始まるのですが、なぜ中央に抜け道があったのに誰も気付かなかったのかというと、長年にわたって猿達がカラスに化けたスパイを送り込んでいたからと判明❗️
この猿軍を相手に非情な決心をして臨む雪哉は、最初の頃のひねくれた悪ガキから戦闘マシーンになり、
敵にも味方にも冷酷なまでの態度をとるようになっています。親友が戦死した時に気がふれたかのように嘆き悲しんだ青年はもういません。
悲惨な殺戮の連続が彼の心を殺してしまったようです。私にはそのことが悲しかったですね😢
相変わらず記憶が戻らないままで戦闘が終わり、メチャクチャになった山内を見て真の金烏である奈月彦は、
「私は金烏失格だ。」と肩を落とします。そんな彼を支えるのはいつもサバサバした態度だけれどとても彼を愛し、大事に思っている妻の浜木綿。
「八咫烏も山神も神のままでいようとするからおかしくなるんだ。いいじゃないか、ただの烏になったって。」
そのあと彼女はまた身籠ったことを告げます。今度はダメにならなかったと言って。
ここまでは悲惨な戦闘が続いていたので、ようやく訪れた静かな時間に読者もホッとします。
姫宮が生まれてメロメロでれでれの奈月彦が微笑ましいですよ。
ちゃんと卵から人型になる説明もされていてほぉ、そうなのか❗️と感心してました。
第2部に入るまでの間に外伝があって、金烏や雪哉のまわりの烏達の恋模様が書かれているようです。
今日からはそちらをまず読みましょう。
数日前に読み終わったのは米原万里さんの「打ちのめされるようなすごい本」1996〜2005年までの書評集。
この才女が亡くなってもう18年も経ってしまったなんて思えないほどに、
この頃からもう既に少子化、環境問題、プーチンのことについて語られていたのです!
それなのに18年後の今になって少子化問題で頭を抱える日本やプーチンのこと、地球温暖化で大騒ぎの世界を彼女は空の上から見て苦笑していると思います。
ロシア語通訳であった人なので、紹介されている本もロシア関係が多いけれど、もちろんそれだけではなくどこから読んでも、
「その本、読みたい❗️」と思ってしまいます。もう今ではきっと手に入らない本もたくさんあるでしょう。
それどころか本屋さんが無くなっていっている日本ですが、その本達は確かにこの世に存在し、
人に感動や感銘を与えた本達だったという記録でもあります。
米原万里さんは卵巣がんに罹患し、がんと戦うなと言った医者を信じて初期に戦わず、様々な代替療法を試して効かないのを我が身で確認した人でした。
卵巣がんは今でも予後はあまり良くありませんが、今なら延命出来たであろうことを思うと残念です。
それは私の乳がんも同じで、10年前なら何ともない方も一緒に全部手術で取り除いていましたと医師に言われました。
日進月歩のがん治療、そんな死んでいった先輩達のおかげで現在のがん患者は生きています。