菊川市の横地氏城館跡と高田大屋敷遺跡が「菊川城館遺跡群」という形で国指定史跡となり、そのための整備委員会が発足し、先日、第1回の委員会がありました。

私は20年くらい前ですが、横地城の調査委員をやっていたことがあり、途中で大学の評議員になったとき、「公務に専念していただくため、外部の委員は降りて下さい」といわれ、やむをえず、委員を辞職するという経緯がありました。

今回、初会合で、委員の互選により委員長に選ばれましたが、そのときのやり残したとの思いがありましたので、よろこんでお引き受けをすることになりました。

委員会終了後、委員会の皆さんと久しぶりに現地を歩きました。代表者が委員会のメンバーにも名を連ねている横地城跡文化財保存会の方々のご努力で、草刈りが進められていて、真夏にもかかわらず、城跡を歩くことができる状態になっていました。びっくりしたのは、見晴らしのよいところでは樹木が伐採されていて、昔にくらべ眺望がよくなっていました。これから、どう整備が進められるか、楽しみです。

NHK文化センター「旅座」の企画で年2回開催される城めぐりで、今夏は信濃の4つの城に行ってきました。小諸城・上田城・松代城・松本城です。地元の上田バスのガイドさんに、「小諸城は何度も案内していますが、大手門ははじめてでした」といわれ、ふだんあまり知られていない場所も見てもらえたと思いました。

松本城では2時間半、時間を取りました。それは「入城30分待ちもある」といわれていたからです。ところがこの日は待つことなく、すぐ入れましたので、かえって時間が余った感じで、ふだんはさっと見るだけで出てしまう松本市立博物館をじっくり観覧することができました。そのおかげで、これまで見すごしていた石川康長の念持仏を拝観することができました。康長は松本城を父数正とともに築いた松本城にとっては大恩人です。ところが、江戸時代はじめ改易され、豊後の佐伯に流され、そこで没しています。配所まで持っていったという念持仏が約360年ぶりに松本にもどってきたということで、私も康長の無念さを思いながら拝ませていただきました。

宿は松代のロイヤルホテル長野で、松代の地酒松代宮坂酒造店(株)の「海津櫻」を堪能しました。

このほど株式会社学研プラスから表記の本が刊行されました。香川さんは1990年代から、学研『歴史群像』、世界文化社『ビックマンスペシャル』、PHP研究所『歴史街道』などの雑誌にお城の復元イラストを描いてきました。それら雑誌には私もよく寄稿していましたので、本の中で御一緒する機会が多く、いつか1冊になればと思っていましたが、今回、それが実現しました。

折込の大きなA3版の大画面100城で、どれも迫力があります。みているだけで楽しくなります。城の部分だけでなく、近世城郭だと城下町が、中世城郭だと集落やまわりの地形も克明に描かれ臨場感があります。

縄張図だけだとなかなかイメージがわかないところもありますが、復元イラストで「なるほど、こうだったのか」と納得するところも少なくありません。厚く、重いのでこの本を持って現地を歩くのは大変ですが、そのページをカラーコピーして、それと縄張図をつきあわせて現地を歩くといいかもしれません。最近、お城の本が何冊も出版されていますが、文句なくお勧めできる1冊です。