雑誌『歴史人』の企画で、昨年4月に開館した京都市鷹峯の古田織部美術館において、宮下玄覇館長との対談をしてきました。鷹峯は、在職中、学生を連れて源光庵の「伏見城の血天井」を見に行って以来です。
まず、ちょうど3月14日から6月14日までの会期で開催されている「古田織部と大坂夏の陣」を観覧させていただきました。茶器類もさることながら、私の目をひいたのは、織部の自筆書状や、文英清韓の書があったことです。文英清韓は東福寺の住持で、あの方広寺鐘銘の銘文を書いた人です。織部と清韓は交遊関係のあったことが知られていますが、夏の陣後、織部が切腹させられていく過程をうかがう上で注目されます。ほかに、私自身、これまで目にしていない「大坂夏の陣布陣図」なども展示されていて見ごたえがありました。
そのあと、常設展示と、「十三窓席」の名で知られる小堀遠州好の茶室「擁翠亭」にご案内いただき、茶掛けの書に、武田信玄の朝比奈信置宛の書が飾られていて、宮下玄覇館長のもてなしの気持ちが伝わってきました。対談の様子は6月に発売予定の『歴史人』に載ります。
公益財団法人北野生涯教育振興会から毎年1回の研修旅行講師を依頼され、いつも桜の咲く頃に城めぐりを企画しています。桜の開花予測はなかなか難しく、これまで、津山城も弘前城も空ぶりでした。
今年は北陸新幹線が金沢まで開通したということで、私自身も早く乗ってみたいと思っていましたので、迷うことなく、コースは北陸とし、加賀・越前の城めぐりをしてきました。桜が例年より早く咲いて、「もう散ってしまったのでは」と心配していたのですが、幸い、開花後、寒い日が続いたため、金沢城は、満開は過ぎていましたが残っていました。残念ながら、丸岡城はもう散っていました。
参加者に喜んでもらえたのは一乗谷朝倉館址です。ここは発掘調査の成果に基づいて当時の武家屋敷や町屋を復元していて、できたばかりの頃は、何か忍者屋敷のようなテーマパークのように思えたのですが、歳月を経て、いかにもそれらしい雰囲気になっており、戦国時代にタイム・スリップしたようで、私も好きなところです。一乗谷ではちょうど桜が満開でした。
一乗谷の上城戸を少し行ったところにある「利休庵」というおそば屋さんで、越前そばを食べました。おいしかったです。夜は芦原温泉に泊まり、勝山市の地酒「一本義」を呑みました。
知恩院の依頼で、「徳川家康の仏教政策と浄土宗」という演題で講演してきました。これは「おてつぎ文化講座」という連続講座の第577回ということで、特に〈徳川家康公400回忌記念講座〉と銘打たれ、会場は満席でした。
私は、講演前に知恩院にお参りし、あわせて、それまで訪れたことのなかった塔頭の先求院にもお参りしてきました。先求院は「せんぐいん」と読みますが、徳川四天王の一人、酒井忠次の菩提寺です。
桑田忠親著『酒井忠次公伝』に先求院とのかかわりがくわしく書かれていて、その中に、忠次が法然上人の御廟の参道修復をし、石段の石標に、
  奉寄進知恩院  施主 酒井左衛門尉忠次
                   文禄四年
             法名 先求院殿天誉高月縁心大居士
とある、と書かれていたので、探したのですが、みつかりませんでした。もしご存知の方あったら教えてください。

講演に、学生城郭研究会以来の親友である橋本楯夫君が来ていたので、帰りに、「祇園で知っている店があったら連れていってよ」とお願いし、橋本君行きつけの「萬常」というお店に連れていってもらいました。祇園は一見の客は敷居が高いと聞いていましたので、いい店を紹介してもらったと思っています。玉乃光が呑めました。