チキュウノスキマ

いく社長です


この時期になると

カミーノデサンティアゴを

思い出す



 


 

 
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 2016年5月


17年勤めた会社を辞めて

スペイン巡礼

カミーノデサンティアゴへ

行った





900キロ41日間

歩く旅


地球の運び屋の

原点となった旅




ちょうど

四年前の今日が

サンティアゴデコンポステーラへの

ゴール


そこから

100キロ

海辺まで歩いたのは

また別の冒険




英語が得意でもなく

コミュニケーション脳力に

長けた訳でもなく

体力があるわけでもなく


持っているのは

バックパックひとつ


Wi-Fiがなければ

iPhoneも使えない


そんな

巡礼者

ピルグリム





最初は10キロ歩くのも

つらくて

しょんぼり


初日なんて

周りの人にどんどん置いていかれて

雨と霧の中

どろどろのぬかるみで

座って休む場所もなくて

ほんと

なんでこんなとこ

きちゃったんだよ

バカヤロウ

状態


毎日

息切れして

倒れ込んでは

眠る

の繰り返し


だけど

そのうち

ちゃんと

歩けるようになって


友達も出来てきて


一期一会もたくさんあって


助けてもらったり

助けられたり


毎日歩いて

ごはん食べて

寝る


それだけの毎日






美味しいワインになるだろう

ぶどう畑


パンになるのかな?な

小麦畑


なんにもない

だだっ広い

世界



思い出すのは

出会ったひとたち


世界中から集まってきた

色んな肌の色

色んな年齢

色んな言葉


そして

どこへ行っても

聞かされるのは


この道を歩くわたしたちは

ひとつの家族なんだということ


あなたはひとりじゃないよ


色んな人が

教えてくれた


テーブルを囲み

ワインをのみ

大皿の料理を分け合い

人生のみちのりを語り合う


言葉はわからなかったはずなのに

どうしてだろう

とても楽しかった


わたしはみんなが話していることばが

なにを意味しているのか

わかっていたのだ


お互いに伝えようとする

その

気持ちが

言葉を紡いだ





あのみちには

魔法がかけられている


誰もがその魔法を目にして

カミーノマジックと

口にする


願いは叶うし

必要なことは起こる


困れば

天使が訪れ助けてくれる


喜びのタネは無限大


その経験が

今もわたしを

支えてくれている



巡礼のみちには

たくさんの古い樹が生きていた


ずっとずっと

昔から

巡礼者を見守る樹たちは


みんな繋がっていて

スタートからゴールまで

ずうっと応援してくれていた

ように感じていた


生きるを

魅せてくれたのは

人だけじゃない

樹や森も

ずっと語りかけてくれていた





巡礼のみちには

黄色の矢印がある


西へ西へと

巡礼者を導く

矢印


みんな

この矢印を見つけながら

歩く


人生にも

こんな矢印がある


いつも

わたしたちは

導かれてる


大いなる存在に

そして

わたし自身に


人生とは

矢印を見つけては

歩みを進めること


巡礼は人生の縮図だ





童話の中みたいな風景の中


巡礼者はすすむ


足をただひたすら

前に進めるだけ


今夜の寝床はむかっていく





いつしか

すっかり凛々しい顔になり


10キロあるいて

ヘトヘトのわたしは

時を重ねて

37キロひたすら歩くということも

出来るようになった


朝から晩まで歩く


ときおりまだ歩くの!

もう十分じゃない?

クレイジー!


心配されることもあったが


わたしは

わたしの

ペースで歩いた


午後の暑い

スペインの日差しの中を

汗たらしながら

歩いたあの時間を


わたしのカラダは

まだ

覚えている


ゆっくりと

足を

前に

進めるだけ


もう

人間としての機能は

それだけだったかもしれない


生きる

だけが

そこに

のこった




サンティアゴデコンポステーラ

聖堂では

聖女と目があった


ミサの間中

彼女がわたしを

見つめている気がした




聖堂に着く直前


あっけないなって

思った


きっと

死の前に

同じことを思うだろう


道のりは長いのに

ゴールは一瞬なのだ


あっけなく

旅はおわる


たくさんの

想い出をのこして




サンティアゴデコンポステーラから

西へ向かい

海へでる


始まりは山だった

ピレネー山脈


そこから

海まで歩いた


旅の終わりは

海がいい




最後の日の夕陽


西の果て


東の果ての日本から

西の果てのスペイン


なんて

遠いところへ行こうと

思ったんだろう


しかし

距離は確実に

わたしを癒した



そう

わたしの

カミーノデサンティアゴは

癒しの旅


深く深く

どこまでも

わたしを癒し


生きるを再生させた


もしかしたら

1度死んで

蘇ったのかもしれない



生き返ったわたしは

今を生きている


巡礼は

終わらない


歩くたびに

自らのカラダを

運ぶことを

たのしむ


そんな生き方を

してる


懐かしの

カミーノデサンティアゴ


わたしの

大切な

まほうの時間








 

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