ジャンル:ヒューマン
あらすじ(背表紙から):
One day, a farmer tells a farm boy to take everything out of an old building and throw it away.
'It's all rubbish,' he says.
In the middle of all the rubbish, the boy finds a beautiful old piano.
He has never played before, but now, when his fingers touch the piano, he begins to play.
He closes his eyes and the music comes to him - and the music moves his fingers.
When he opens his eyes again, he knows that his life is changed for ever...
面白さ:★★★☆
※以下、結末まで話します。嫌な方は見ないでください。
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主な登場人物:
Anthony Evans…ピアニスト。80歳記念公演を行う。かつてTonyと呼ばれていた。
Anthony Linda…Evansの妻。農場の娘だった。
Sally Hill…新聞記者。公演前のAnthonyに生い立ちをインタビューする。
Mrs.Lark…トニーの音楽の先生。
Wood夫妻…トニーが働きに出た農場の夫妻。
Mr.Gordon…農場近くの学校の先生。優しく、誰からも好かれる音楽好き。
内容:
アンソニー・エヴァンズの80歳記念演奏会。
新聞記者のサリーはアンソニーにインタビューを始めます。
偉大なピアニストでありながら、彼の口からは非常に風変わりな生い立ちが語られるのでした。
小学生のトニー(アンソニー・エヴァンズ)は、勉強は嫌いでしたが、なぜかラーク先生の音楽の授業は好きだった男の子。
しかし、13歳になると、学校から出て働かなければならなかった彼は、母親がかつて働いていたウッド夫妻の農場に行くことにします。
農場での生活は、仕送りをしていたためにお金はなかったけれど、非常に充実していたものでした。
さらに、学校の夏休みになり、少年2人も農場にやってきて、トニーと仕事をしながら一緒に日々の生活を楽しむのでした。
ある暑い日、ウッド氏は新しい車を納車するため、小屋の掃除を3人に言いつけます。
彼らは小屋の掃除を始めますが、小屋に置いてあった古いピアノに興味を持ち、ふと鍵盤に手を乗せると、なぜか弾けるのです。
ウッド夫妻の娘、リンダはピアノを習っていたのですが、自分が弾けなかった曲を簡単に弾いているトニーにびっくり。
ピアノをなんとか自分のものにしたかったトニーですが、小屋にはピアノを置いておけません。
そこで見つけたのが、夏休みで誰も人がいない農場の近くの学校。
幸運にも学校の鍵が開いていて、夏休みの期間、いったんそのピアノをおいておくことにします。
それから、学校が始まるまで、農場の仕事をしながらトニーはピアノを練習します。
リンダも楽譜を貸したり、譜読みを教えたりして、トニーを応援するのです。
さて、ある夜忘れ物を取りに学校を訪れた先生のゴードンは、ピアノの音を耳にします。
音楽好きのゴードンは、彼の存在に気づいておびえるトニーに優しく声をかけ、さらにウッド夫妻にトニーには才能があるので音楽を教えたいと願い出ます。
夫妻のお墨つきをもらったトニーはおおっぴらに練習できるようになり、冬を越しどんどんその技術を上達させていきます。
そして6月。コンクールがあり、それに参加したトニーは、他の参加者や観客に臆することなく演奏を始めます。ただ、友に、ウッド夫妻に、そしてゴードン先生に、さらに音楽のたのしさを教えてくれたラーク先生を想って弾くのです。
コンクールの結果は、見事優勝。
その後トニーは音楽学校に進学し、華々しいキャリアをスタートさせるのです。
また、彼が20歳の時にはリンダにプロポーズし結婚します。
それが、アンソニー・エヴァンズの不思議な不思議な経歴なのでした。
そして、記者に語ると、舞台に向かうのでした。
感想:
音楽好きなので、こういう話は無条件で楽しいです

こういった類の話って、本人だけでなく、周りの人が非常にいい役といいましょうか、愛すべき存在となるので、胸がキュンとなります。
特に、好きなのはゴードン先生。
この人がいたから、偉大なピアニスト、アンソニー・エヴァンズの今があるんだろうなぁ。
・・・あ、もちろん、実在しないんですけどね(笑)
「彼が音楽を見つけたのではなく、音楽が彼を見つけた」っていう台詞、すごく好きです。