「THE WIZARD OF OZ」(オズの魔法使い) | こだわりのつっこみ

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素人が音楽、小説、映画などを自己中心的に語ります。

レベル:中学2~3年生レベルなので数時間で読めると思います。


ジャンル:ヒューマン


あらすじ(背表紙から):

Dorothy lives in Kansas, USA, but one day a cyclone blows her and her house to a strange country called Oz.
There, Dorothy makes friends with the Scarecrow, the Tin Man, and the Cowardly Lion.

But she wants to go home to Kansas.

Only one person can help her, and that is the country's famous Wizard.

So Dorothy and her friends take the yellow brick road to the Emerald City, to find the Wizard of Oz...


面白さ:★★★☆


※以下、結末まで話します。嫌な方は見ないでください。













Wizard of Oz level 1 (Oxford Bookworms Library)/L. Frank Baum
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 おじさんとおばさんと共にカンザスに住むドロシー
ある日起こった竜巻で、地下室に逃げ遅れたドロシーと、子犬のトトは、家ごと竜巻に飛ばされてしまいます。

気づくと故郷とは全く違う、緑に囲まれた風景が。
そしてなぜか3人の小人と魔女が、ドロシーに礼を言っています。
聞くと家の下敷きになって悪い東の魔女が死んだとのこと。
故郷に帰りたかったドロシーは、良い北の魔女にそのことを言うと、魔女は、東の魔女が履いていたきれいな赤い靴をドロシーに履かせ、キスをしい、黄色い道を辿ってエメラルド・シティに向かいなさいと教えます。

その道中、ドロシーとトトは、
 ① 脳が欲しいかかし
 ② 心が欲しいブリキ男
 ③ 勇敢さが欲しいライオン
と知り合い、一緒にエメラルド・シティに。

そして、エメラルド・シティに着き、何でも願いを叶えてくれるらしい、オズの魔法使いが住むエメラルド城に行きます。
しかし、魔法使いは各々に違う姿をみせ、もう一人の悪い魔女である西の魔女を倒して来いというのです。

その様子を一部始終見ていた、西の魔女は、魔法でマジック・モンキーを呼び出し、かかし・ブリキ男を壊し、ライオンを牢に閉じ込め、ドロシーを自らの召使いにします。

西の魔女は、ドロシーの履く、東の魔女の赤い靴を奪おうとするも、北の魔女のキスの加護により手が出せず、それどころかドロシーがかけた水により死んでしまいます。
西の魔女は死に、彼女の魔法の帽子をかぶったドロシーはマジック・モンキーを呼び出し、かかしらを助け、再びオズの魔法使いのもとへ。

しかし、オズの魔法使いは難癖をつけて彼女らの願いを叶えようとはしません。
怒ったライオンは、雄たけびをあげます。そして、それに驚いたのは犬のトト。
怯えてスクリーンに飛び込むと、スクリーンははがれ、中にははげたおじさんが。
彼こそ、オズの魔法使いの正体。
彼もまた、ドロシーと同じくカンザスから竜巻で飛ばされていた、マジシャンだったのです。

そしてオズの魔法使いはかかし、ブリキ男、ライオンに語りかけます。
もうすでに、欲しいものは手にしているではないかと。
さらに翌日には、自分が飛ばされるときに乗っていた気球を直し、ドロシーをカンザスへと帰してあげようとします。

しかし、失敗し、ドロシーは乗り込めず、オズの魔法使いを乗せた気球は大空へと飛び立っていきました。
途方にくれたドロシーは、残る良い魔女、南の魔女に相談すると、履いている赤い靴をならし、合言葉を言えば戻れると教えてくれました。

ドロシーが言われたとおりすると、めでたしめでたし、カンザスに戻ることができたのでした。


感想:

内容はともかく、タイトルは知っている人も多いであろう、オズの魔法使いです。

とっても面白かったですニコニコ
というか、幼少期に映画で何回も観たことがあるので、思い出しながら、さらに新しい発見がありながら楽しむことができました。

大人になって読むと、また違う感想が出てきます。

例えば、オズがかかし、ブリキ男、ライオンに語るのです。
 ①かかし:もうすでに、物事を理解し、考えることができているではないか。
 ②ブリキ男:もうすでに、泣き笑いができ、何かを愛し、そして人に対して申し訳ないという気持ちを持っているではないか。
 ③ライオン:もうすでに、勇敢なことをしているではないか。
と。
確かに、本文中では、彼らの確かな成長を感じることができ、個人的にも十分うなずけるのですが…3人(匹?)は納得しません。
目に見える形で、物的な何かが欲しいのです。

そこで、翌日、オズは
 ①かかし:BRAINSと書かれたビンに入った、液体を頭に注入。
 ②ブリキ男:小さな赤い心臓をかたどったものを取り付けてあげる。
 ③ライオン:BE BRAVEと書かれたビンの中身を飲ませる。
これにより、3人は安心するのです。
この部分に、個人的に考えさせられました。

人は、自分が仮に才能を持っていたり、理想を叶えていたとしても、それを外から認めてくれたり、保障してくれる存在がなければ自信が持てないのかなぁ~はてなマーク、という風に考えてしまいました。
これは別に全然、いけないことではないと思います。
むしろ、そこに愛しさを感じることができました。

さらに、家に帰るための魔法。
直訳すると、ちょっと日本語には合わない感じがするので、意訳すると、
「どこであっても、故郷が一番」
というような内容です。
緑も何もないカンザスだけれど、やはり故郷にはかなわないんだろうなぁ。