「Parallel」 | こだわりのつっこみ

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素人が音楽、小説、映画などを自己中心的に語ります。

レベル:中学2~3年生レベルなので数時間で読めると思います。


ジャンル:SF


あらすじ(背表紙から):

Max sat on his bed.There was a gun on the bed beside him.
The gun was still warm.
Max's face was very white and he didn't feel well.
He never felt well after he killed someone.

Max kills people for money.
But one day he goes to a new world and his life changes.

面白さ:★☆


※以下、結末まで話します。嫌な方は見ないでください。













Parallel Level 1 (Cambridge English Readers)/Campbell Colin
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内容:
ロンドンのアパートに住むマックス
彼は嘱託殺人者と言うべき人物で、これまで数々の殺人を行ってきました。
そんな彼のアパートに、ジェラルド・フェアヘッドと名乗る男が彼を訪ねにやってきます。

彼は、ある女性の殺人を依頼しますが、どうやら様子が変です。
というのも、女性の殺人の前に自分に付いてある場所に行って欲しいと言ってきたこと、殺人者であるマックスの生い立ちや素性を知りすぎていること、そしてマックスの顔と同じ牧師姿の男の写真を持っていたこと。
そして、ジェラルドは語り始めます。

この牧師姿の男はマックスといい、殺人者のマックスと同じ家族構成をし、同じ境遇で育ったということを。
そう、実はこの世とは別の並行世界があり、その世界は、この世で行った別の可能性で成り立つ世界だというのです。
そして、ジェラルドは、並行世界に住むある女性を殺してくれということなのです。
もちろん、並行世界という存在自体に半信半疑のマックスですが、自分のもう一つの可能性、牧師姿を見て、なぜ自分が牧師になったかもしれないのだろうと疑問に思い、その疑問を解決すべく、ジェラルドとともに並行世界へと向かうのです。

さて、並行世界で、殺人者マックスは牧師マックスに、なぜ牧師になったかを訊ねます。そして知るのです。
ある一つの出来事に対する自分の行動が、かたや牧師となり、かたや殺人者となったことを。
牧師のマックスは、殺人者のマックスに言います。
「変わるということに遅すぎるということはないのだ」と。

嘱託殺人という仕事をしながらも、自らの生活に僻々としていたマックスは、一路ジェラルドが殺しを頼んだ女性の許に向かい、自分とジェラルドがしようとしていることを教えようとします。
しかし、彼を待っていたのは、ピストルを持ったジェラルド。
そして女性-ジュリー-もそこにいます。

ジェラルドは真実を語ります。
この女性、ジュリーは自分の娘であり、また3年前、殺人者マックスの世界で、彼によって殺された、さらにあちらの世界でもこちらの世界でも感情というものはシンクロしているので、ジュリーはあちらの世界で殺されてからというもの、ずっと苦しみ続けていたのだと。

そのことを知った、マックスはジェラルドに言います。
「私を生かすも殺すも、あなたが決めてくれ。あなたと娘さんがどのような世界を生きたいのか、あなたが決めてくれ」と。

そして、牧師のマックスに、頭の中で声がしました。
「私は人を殺してしまった。しかし私は変わりたい、死にたくない」と。
その声を聞き、マックスは恐れが消えたのでした。



  感想:


平行世界(パラレル・ワールド)、という概念自体は非常に面白いのですが、あまりにもSFにしては、ご都合主義がひどすぎるプンプン

①娘を殺した犯人がマックスだと知っていたのなら、彼のもとを訪れた時点で殺せばいいじゃん。
②なんでジェラルドには平行世界を行き来できる術を知っているの?
③なんで平行世界のジュリーともう一つの世界に来たジェラルドが電話で会話できるのか?
④平行世界ともう一つの世界での人々の感情がシンクロするってだけでは矛盾しすぎるんじゃないか、いっそのことシンクロしないか同じくジュリーを寝たきりか死んだということにしないと納得できない。

語彙数を少なめにしているレベルだから細かくは書けない、という制約があるのは分かりますが、それを言い訳にできないほど納得できない内容でしたダウン
個人的に。