「VOODOO ISLAND」 | こだわりのつっこみ

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素人が音楽、小説、映画などを自己中心的に語ります。

レベル:若干長めですが中学2~3年生レベルなので1日くらいで読めると思います。


ジャンル:ファンタジー


あらすじ(背表紙から):

Mr James Conway wants to make money.
He wants to build new houses and shops - and he wants to build them on an old graveyard, on the island of Haiti.

There is only one old man who still visits the graveyard;and Mr Conway is not afraid of one old man.

But the old man has friends - friends in the graveyard, friends who lie dead, under the ground.
And when Mr Conway starts to build his houses, he makes the terrible mistake of distribute the sleep of the dead...

面白さ:★★★★☆


※以下、結末まで話します。嫌な方は見ないでください。













Voodoo Island (Oxford Bookworms Library)/Michael Duckworth
¥639
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内容:
やり手の建設会社社長コンウェイは、飛行機でハイチに向かっていました。
ハイチでホテルや家、店などを展開しようと考えていたのです。
その飛行機の機内で隣に座っていたのはカレン。彼女は医者ですが、ハイチの民俗信仰であるヴードゥーに関心があり、それに関する本を書くためにハイチに訪れるのです。
しかし、コンウェイはヴードゥーについてまったく興味をもたず、それどころか全く信じなかったのです。

それから9ヶ月経ち、コンウェイは構想どおりにハイチに現代的な建物をどんどん造り、さらに、次の標的として、古びた墓を更地にして住宅や店を建てようともくろむのです。
一方、カレンはある家を訪れます。ハイチでうわさのヴードゥの使い手、キーの家です。
キーはカレンと話が合い、彼女に
、キーの大切な祖父が眠る、大切な場所である墓を案内します。
それが、まさにコンウェイが更地にしようとしていた墓。墓地にコンウェイの会社の者がいて、キーに計画を伝えると、キーはコンウェイと面会し、それを止めようとします。

もし、墓地を残してくれたら願いをなんでも叶えてあげるというキー。
するとコンウェイは
「多くの部屋がある大きな家に住み、掃除も食事もしてくれる人がいて、銀行には大金があり、働かずいたい」
と冗談のように言い、キーを追い返します。

キーが会社を去ったあと、コンウェイは即座に行動に移します。
墓地を更地にするということを。
キーの願いはコンウェイのもとには届かなかったのです。

一方、そのことをしったキーは怒りに怒り、ついにヴードゥの呪いをかけるのです。
その祈りが行われた日から、コンウェイは悪夢を見始め、もはや正常ではいられなくなっていくのです。

さて、カレンはキーの家にいました。
それは、ある精神的に病んでしまって入院している男を診て欲しくて、キーにお願いにあがったというしだいです。
キーはカレンとともに、カレンの勤める大きな病院に向かいます。

そう、そこにはコンウェイが隔離入院されていました。
最後に、キーは言うのです。
「彼はここで幸せだろう。彼は欲しいものは全て入っているのだから」と。

大きな病院、そこはまさに、
「多くの部屋がある大きな家(病院)に住み、掃除も食事もしてくれる人がいて、銀行には大金があり、働かず」にいれる場所だったのですから。


感想:

なかなかよくできた話じゃないですかビックリマーク

ヴードゥの使い手の本気の呪いは恐ろしい…
コンウェイが少しでも聞く耳をもつ人物だったら、そしてきちんとキーと根気よく話をすることができるような寛容な人物だったら、ヴードゥと共存できたかもしれません。

にしても、コンウェイが冗談交じりに言った夢が、悪い方向で叶うと、こうまで恐ろしい夢なのかあせる
まあ、コンウェイ本人にすれば、キーの言うとおり、願いが叶って幸せなのかもしれませんねぇニコニコ

なんか、ストーリーは一緒でヴードゥを日本の民間信仰に変えれば、
「世にも奇妙な物語」の一編に使えそうなほどの面白い話でした音譜