「MUTINY ON THE BOUNTY」(バウンティ号の反乱) | こだわりのつっこみ

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素人が音楽、小説、映画などを自己中心的に語ります。

レベル:若干長めですが中学2~3年生レベルなので1日くらいで読めると思います。


ジャンル:冒険


あらすじ(背表紙から):

It is night in the south seas near Tahiti, and the ship HMS Bounty has begun the long voyage home to England.
But the sailors on the ship are angry men, and they have swords and guns.
They pull the captain out of bed and take him up on deck.
He tries to run, but a sailor holds a knife to his neck.
'Do that again, Captain Bligh, and you're a dead man!'he says.

The mutiny on the Bounty happened in April, 1789.
This is the true story of Captain Bligh and Fletcher Christian, and the ship that never home to England.


面白さ:★★★


※以下、結末まで話します。嫌な方は見ないでください。












Mutiny on the Bounty (Oxford Bookworms Library)/Tim Vicary
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内容:

1787年の12月の寒い日、タヒチに向けて1隻の船が母国イギリスを発ちました。
バウンティ号には船長ブライをはじめとして、彼の友人であり副船長のクリスチャン、船員のアダムズヘイウッドなどが乗船しており、彼らは母国イギリスのためにタヒチのパンノキの実を西インド諸島に運ぶことを任務としていたのです。

さて、船長であるブライは、船中かなり冷徹で横暴な様子をみせます。タヒチに着いても、船員らが遊びまわったり、現地の女性と仲良くすることを快く思わず、帰路ではかねてからの友人だったクリスチャンにでさえ、ヒステリックな言動を続ける始末。

クリスチャンはバウンティ号から逃亡しようと試みますが、それを他の船員に咎められ、むしろ船長であるブライに対し、反乱を起こそうという計画を持ちかけられるのです。

反乱は実行されます。
就寝中のブライや、彼を慕う船員らを銃や剣で脅しながら、ブライを含めた19人を救命艇に乗せて、いわば置き去りのような状態にして、クリスチャンらはタヒチに戻ります。

さて、ブライらを乗せた救命艇は、しかし、ブライのすばらしい統制や指揮の下、ある島で原住民に殺された1人以外全員を生き残らせたまま約7000kmの距離を航行しきり、ティモール島に到達するのです。そして、ブライらはイギリスに帰り、先の反乱のことをイギリス国民に語ります。
怒った国民は、エドワードを船長とするパンドラ号で、反乱を起こしたクリスチャンらを捉えようと、一路タヒチに向かいます。

しかし、多くの船員は原住民に殺されたり、バウンティ号すら発見できなかったりと、なかなか彼らの消息をつかめません。
そんな中、ヘイウッドを捕えることはできました。彼は本国イギリスにて軍法会議にかけられます。
当然、上司に逆らったこの反乱は死刑に値するものでしたが、国王の恩赦により釈放に。

主犯と見られたクリスチャンやアダムズは発見できないまま時は過ぎていきます。
が、1808年、アメリカ船のトパーズ号がピトケアン諸島という小さな島に到着し、そこでアダムズを発見するのです。
もう年老いたアダムズは、大まかな反乱後のことを語ります。

バウンティ号は、発見を恐れたために解体したこと、
多くの船員は現地の女性と結婚し、子を授かったこと、
一部はタヒチからこのピトケアン諸島にやってきたこと、
そして、内紛や原住民との戦闘において多くの船員が(クリスチャンも含め)亡くなっていること、
さらに、多くの船員が、バウンティ号の船長ブライを素晴らしい船員だと認めていたこと。

され、トパーズ号の船長は年老いたアダムズをイギリスに連れ帰って軍法会議にかけさせるようなことはせず、そのまま彼をピトケアン諸島に居続けさせたのです。
しかし、最大のなぞは分からぬまま。
「なぜ、彼らはブライに反乱をおこしたのだろうか?」


感想:
さてさて、この事件、現実にあったものだったらしいですね目
さらに何度も映画化されているとか。
若干脚色されてはいるようですが、しかし結構楽しめましたニコニコ

確かに前半は

ブライ=悪
クリスチャン=善

だったのですが、しかしブライの指揮能力や見事な決断力は救命艇での生還で証明されていますし、そうなると、後半は逆に

ブライ=善
クリスチャン=悪

のような気もしてきます。
この価値観の揺らぎが、なかなか読んでて面白かったです。