「THE COLDEST PLACE ON EARTH」 | こだわりのつっこみ

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素人が音楽、小説、映画などを自己中心的に語ります。

レベル:若干長めですが中学2~3年生レベルなので1日くらいで読めると思います。


ジャンル:冒険・歴史


あらすじ(背表紙から):

In the summer of 1910, a race began.
A race to be the first man at the South Pole, in Antarctica.

Robert Falcon Scott, an Englishman, left London in his ship, the Terra Nova, and began the long journey south.

Five years later, another ship also began to travel south.
And on this ship was Roald Amundsen, a Norwegian.


But Antarctica is the coldest place on earth, and it is a long, hard journey over the ice to the South Pole.
Some of the travellers never returned to their homes again.


This is the story of Scott and Amundsen, and of one of the most famous and dangerous races in history.


面白さ:★★☆


※以下、結末まで話します。嫌な方は見ないでください。











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内容:
1910年、南極点到達競争が始まりました。
6月1日にTerra Nova号でロンドンを発ったスコット隊と、6月6日にFram号でノルウェーを発ったアムンゼン隊との競争です。

アムンゼン隊は当初、北極点に向かう予定だったのですが、2年前にアメリカの隊が人類初到達を果たしていたことから、残る南極点に自国の旗を立てるべく、目標を南極点に変更したのでした。

スコット隊はモーター車や寒さに強いといわれるポニーを用意し、アムンゼン隊は犬ぞりを主力に構えました。
装備だけで言えば、スコット隊のほうがより近代的ではあったのですが、競争は思わぬ方向に。

スコット隊においては南極走破中、さまざまなアクシデントに見舞われてしまいます。
頼りのモーター車は早々に壊れ、ポニーもあまりの寒さに死んでしまう。
当然、隊員たちの士気も下がり、言い争いや隊長であるスコットに対しての不満が噴出します。

一方のアムンゼン隊は、設備の上では劣っていましたが、しかし犬ぞりを主力としていたことが功を奏します。
寒さはポニーより強く、また、殺して犬や隊員たちの食料にもなり得たからです。

さて、競争のほうですが、アムンゼン隊が1911年12月14日に南極点に人類初到達
遅れて翌1912年1月17日にスコット隊が到着するのでした。
スコット隊はモーター車もポニーも欠いたまま、人力で食料などが詰まれたそりを引かなければならず、文字通り満身創痍の状態。

スコット隊の帰路、それは悲しい悲しい最後でした
スコット隊は体力がつき、最後に張ったテント内で息を引き取るのです。

ゴール地点の基地で待っていた隊員が冬を越したその年の10月に捜索を開始し、そこでテントを発見。雪の下にスコットら3人が永遠の眠りについていました。

スコットが残した日記にはこう書かれてあったのです。
「私たちは全員死ぬ。私たちを忘れないでいてくれ、そして家族たちを頼む。私たちは全力を尽くした。」


感想:

数10ページしかないのだから、両隊の動向を併記するのではなく、どちらかにスポットを書いてくれればもっと面白かったかなぁと思いましたガーン

だって、スコット隊の悲劇がものすごく胸にくるものがあるのですから。


特に個人的に胸を打たれたのは、スコット隊隊員、オーツ大尉の最期です。

帰路にオーツ大尉は足に重度の凍傷を負ってしまい、切り落としてくれとスコットに嘆願するほどにひどい状態に陥ってしまいます。

デポ(前進基地)に戻っても極々わずかな食料しかなく、さらに寒さも増してきます。

そんな中迎えた3月17日。この日はオーツの32歳の誕生日でした。


オーツは母親に手紙を書き、それを隊員の一人に渡した後、

「ちょっと、外に行ってくるよ。すぐ戻ってくる。」
という言葉を残し、テントを出て行方不明になるのでした。

誕生日になんという悲しいことか、、、

現在、スコット隊はイギリスでは英雄視されているようですが、オーツもスコットはじめ他の隊員も、生きて歓声を浴びながらイギリスの地を踏みしめることを望んでいたことを思えば、涙なくしては語れませんしょぼん
アムンゼン隊ももちろんですが、スコット隊にもささやかながら、拍手を送りたいですビックリマーク