「Macbeth」(マクベス) | こだわりのつっこみ

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素人が音楽、小説、映画などを自己中心的に語ります。

レベル:若干長めですが中学2~3年生レベルなので1日くらいで読めると思います。


ジャンル:悲劇


あらすじ(背表紙から):

A dark, rainy day in Scotland, long ago.
Returning from battle, Macbeth and his friend Banquo meet three witches.
'Macbeth, the king!' they say, but Macbeth is not a king, he is just a simple soldier.

Macbeth and Banquo cannot forget the witches' words.
Soon Macbeth is king, but his wife walks in her sleep at night, and dreams of blood.
What lies in the future for Banquo?
And how many people must die before Scotland finds peace once more?


面白さ:★★★★☆


※以下、結末まで話します。嫌な方は見ないでください。











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内容:
スコットランド兵士のマクベスは、ノルウェー軍との戦いで、ノルウェーの元帥を倒すという功績を挙げた。
マクベスは友人のバンクォーと共に帰る道すがら、魔女に遇う。
魔女はマクベスに、やがてマクベスはスコットランドの王になるだろうと告げたのだ。
半信半疑のマクベスだったが、妻の助言のもと、その予言を確かなものにすべくスコットランド王ダンカンを殺害し、見事にスコットランド王に選出されるのだった。

しかし、マクベスと夫人は次第に精神に支障をきたしていく。王位に昇るため、そして地位を確立するために政敵や友人のバンクォーまでも次々に粛清していったからだ。

さ て、そんな自身の不安を払拭すべく、マクベスは更なる予言を求めて魔女に会いに行く。すると魔女は、「母がいる子には誰もあなたを傷つけることはできない」と言う。
マクベスはそれはすべての人間の子供があてはまる、ゆえに自分は大丈夫だとの確信を持つ。
しかし、隣にいた頭に王冠をつけた若者は「あなたの城の近くの木々が歩き始めたら、災いが起こるだろう」との謎めいた言葉を残すのだった。

さて、マクベスに殺された前王ダンカンの遺児マルコム、そし てダンカンの友人だったマクドフはイングランドに亡命し、マクベスを討つために兵士を集めていた。
そして進軍を開始する。途中、マクベスを欺くために兵士 らは森の木々を身に覆い、マクベスのいる城へと向かうのだった。
若者の予言通りマクベスにとっての災いがはじまる。

しかし、「母がいる子には誰もあなたを傷つけることはできない」という魔女の言葉通り、裏切り者が続出している中にあってもマクベスは勇猛果敢にマルコム軍を散らしていく。
ついに、マクベスとマクドフの一騎討ちとなる。

マクベスは魔女の言葉による勝利を確信していたが、しかし、なんとマクドフは母が死んだ後、帝王切開で産まれていたことが明かされる。
つまり、マクドフには母がいないのだった。

マクドフはマクベスを討った。そして高らかにこう民衆に宣言するのだった。
「スコットランドは再び安寧を取り戻した。本物の王はここにおられる!ダンカンの息子、マルコム、スコットランドの王!」と。


感想:

さて、畏れ多くも世界的な偉大なる作家シェイクスピアの、それも最も悲劇的とも言われる作品です。
もちろん、原典ではなく、初心者用に要約してはいるのですが、マクベスの病んでいく様をおうのはこの本でも十分出来ます。

「卵が先か、ひよこが先か」論争よろしく、
マクベスと夫人がスコットランド王ダンカンを殺したことが予言を達成することとなったのか、それともあらかじめ予定されていたことだったのか、他の手段によっても王になることを約束されていたのにマクベスは方法を誤ったのかは、ここでは定かではありませんが、死にうなされ、予言に一喜一憂し、果ては殺されていくマクベスの様子は鬼気迫るものがあります

日本語訳でも様々な版が出ているそうなので、機会があれば、美しい日本語でこの悲劇を味わってみたいと思いました。