「From the Heart」 | こだわりのつっこみ

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素人が音楽、小説、映画などを自己中心的に語ります。

レベル:若干長めですが中学2~3年生レベルなので1日くらいで読めると思います。


ジャンル:恋愛物


あらすじ(背表紙から):

Anna is a new student at Oxford University.
When she arrives in Oxford, she meets Selim, and they become good friends.
But Selim is not English, and living in a different country is not easy for him.

Anna tries to help - but she knows that her father isn't going to like it.

Selim and Anna have each other.

But is that enough?
And they find true happiness together?


面白さ:★★★☆


※以下、結末まで話します。嫌な方は見ないでください。












From the Heart/著者不明
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内容:
オクスフォード大学に入学するAnna。父のDerekや父の女友達のJaneに見送られ、オックスフォード行きのバスに乗ります。
そのとき、父親は「外人には気をつけろ」という言葉をAnnaにかけます。

オクスフォードの入学ダンスパーティでAnnaは男に絡まれているところをバーテンダーのSelimに助けられ、それをきっかけにAnnaとSelimは次第に打ち解け、仲良くなっていきます。
しかし、Selimの生い立ちはなかなか複雑で、まず彼はイギリス人ではなくボスニア生まれで、さらに現在は不法移民なのだというのです。
そんなSelimですが、親切でClibmingが好きということでAnnaと趣味が合い、次第に二人は恋に落ちていくのです。

ですがAnnaは父にSelimのことを話せません。
というのも、父はかつて友人だと思っていたスウェーデン人の会社の同僚に妻を略奪された過去があり、そのことで外国人を毛嫌いするようになっていたからなのです。
さらに悪いことに、本社をスウェーデンに置く父の勤める会社が、イギリス支店を突如閉鎖し、イギリス支店の社員をいわば見殺し状態にするという方針をとったことから、父の外国人嫌いはさらに悪化します。

そんな折、クリスマスで実家に帰っていたAnnaはふとした口論の末、Selimのことをぶちまけ、父との関係が極度に悪化。
それでも、母が出て行った後、父を慕って支えとなっていた女友達のJaneは、この状況をなんとかしようと懸命に尽力。
その結果、あるコネクションから、イギリス支店は存続することが決まり、父は次第にAnnaとSelimとの仲を認めることに。

さて、打ち解けた彼らは父、Anna、Selimの3人で共通の趣味であるClibmingに出かけることにしました。
そして、山でSelimはAnnaにプロポーズをするのです。
亡き母の形見の指輪を渡して、そして素敵な言葉をAnnaにかけるのです。
「I give it to you with love, Anna. It comes from me, from the heart.」


感想:

外国人移民の問題をも含んだラブ・ストーリーとして、なかなか面白かったです。

しかし、不満もあります
というのも、父親の外国人嫌いが、そんなことで一気によくなってしまうの?という部分で納得しかねたからですガーン
イギリス支店存続で、急にSelimとハグするまで仲良くなるなんて、なんとなく不自然でした。

そして、別にいらないんじゃないか、もしくは結論を急いてしまっているんじゃないか?という記述も目立ちました。
例えば、最後の山中で父親が怪我をする場面。そこで、結果的に父親とJaneの関係が友人と言うよりも愛で結ばれているということになるのですが、別にここで終わらせなくてもいいのになぁと思います。