鳴ってる泣いてる~YouSpica コンピレーションアルバム2023.02 と『流星群』 | ライブハウスの最後尾より

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邦楽ロックをライブハウスの最後尾から見つめていきます。個人的な創作物の発表も行っていきます。

どうも( ^_^)/

 

初心を忘れてばかりの者です。

 

このアルバムに出揃ったミュージシャンの方々の、立ち返る場所になってくれたらと願っています。俺は、そんな彼らにちょっとでも追いつきたいと思いました。

 

YouSpica 

 コンピレーションアルバム2023.02

 

 

ひと昔前に路上ライブをしていたころ、個人的でやや意味不明な決め事として「コンピレーションアルバムには参加しない」というのがありました。

 

「一回参加するのにおいくら万円程度かかります」っていうのが、商売なんだからと理解しつつもなんだか嫌だったのと、「俺に声をかけてくるようなコンピには参加したくない」というひねくれ根性があったのと、単純な人に聴かせられる域に達していなかったというのが理由でした。

 

金をかけるには値段が安すぎ、魂をかけるには志が低すぎ、人様のプレイリストでかけるにはもろもろがつたなすぎ、と、己の話はもういいとして。

 

 

お金も魂もぜんぶ賭けて懸けて、すぐ専用のプレイリストを作ったコンピがこちらです。

 

 

 

それでも世界が続くならが行ったクラウドファンディングから、ボーカルギターの篠塚さんが募集し選んだ楽曲を集めた月一コンピレーション企画、現在はやくも隔月になりそうなピンチらしいです。我こそはという方は送ってみましょう。

 

 

 

というところで実際に曲を聴いていきます。

 

一聴して感じるのは「鳴ってるなぁ」でした。

 

巧拙など関係なく、さらにそれ以前の「楽器を弾こう」「歌を歌おう」「歌詞を書こう」「メロディを奏でよう」「コードを積もう」という手前で「すでに鳴ってる」のがなによりすばらしいことだなと思いました。

 

作曲界隈に『泣きメロ』なるちょこざいな俗語がありますが、これはさながら『鳴きメロ』です。

 

鳴りで泣かすのでなくて、泣きはらした目で鳴らしてるというのか。

 

身体なのか精神なのか、俺には分かりませんが、このアルバムに集まったミュージシャンが「鳴って泣いてる」のが、とても良いです。

 

オートチューンになじんだ耳が喜んでます。

 

もちろん、こればっかりだとしんどいです。

 

「ホンモノの音楽ってナァこれなんだよ!」みたいな酒場の酔っ払いが厄介なクダを巻いてるようなことを書きたいのではなくて。

 

音楽を聴くという行為がやたらめったらに重くなってしまうので、たまぁに聴くといい。

 

演ってる彼ら彼女らもそんな風には受け止めてほしくはないと思う。

 

そういう“たまぁに”を提供してくれるレーベルがこのご時世に生えてきたというのは、ありがたいです。

 

 

どの曲も中秋の月光のような眩しさがありました。

 

 

聴いてみてください。

 

 

 

と。

 

 

 

 

音楽って、彩っちゃダメなものまであざやかにしてしまうところがあるというか「そこはそんなに美しくしなくていい」って引き算のコントロールが難しい代物だと思います。

 

近くで見ればただ大きな石が群れをなして燃えながら消え去ってくだけのことが、地球から見れば奇妙に綺麗に見えてしまう。

 

“音楽”や“バンド”の理解として、これほどの解釈はちょっと自分には思いつきませんでした。

 

こちらもぜひ、聴いてみてください。