どうも( ^_^)/
たまには暑さに身を委ねようとクーラーを切った部屋でこのブログを書いているものです(2021.9/1)。
時としてまったくの愚行と思える行為が、無茶な若さを呼び起こすこともあります。
古い記憶の名作を聴きました。
BUMP OF CHICKEN
FLAME VEIN
みんなは歌い出す
01.ガラスのブルース
日本語ロックバンドのバンプはここから始まりました。
メロではおとなしくリズムを刻んでいたベースがサビでいきなり暴れ出します。
二番のブレイクからいきなり早くなるドラムが愛おしいです。
まだまだギター歴が浅く物怖じしそうになる中で、ひたすら弦を掻き鳴らす情熱だけは負けないヒロさんのストロークにはエールを貰えると同時に応援したくなります。
そのすべてのサウンドが、ガラスの目をした猫の歌うブルースに寄り添い高め、共に絶唱するのです。
来るはずないの分かってた
02.くだらない唄
スイートな音色で重ねられたギターからズンズンとバンドアンサンブルが立ち上がってくるノスタルジックでファンタジックなミディアムポップソング。
子供のスキップみたいに、軽やかに跳ねたいけどいまいち跳ねきれないぎこちなさが良いです。
甘く苦く服に沁み込んだタンポポの匂いも、いつか消えていく。その後の話は“続・くだらない唄”へ。
青いスカート似合う女の子
03.アルエ
最初期の大名曲。なんか妙に音が引っ込んでマイクがハウりかけてるけど、こんな音は狙って作れないという意味で、後にこのレコーディングバージョンのままシングルカットされたのも納得です。
制作のきっかけがきっかけなので、エヴァと引っ掛けずには語れなかった歌詞ですが、もう新劇場版も完結しましたからね。
そろそろこの歌も、爆裂に青臭い青春野郎で男気溢れる少年とハートに包帯を巻いた儚げな女の子の物語を描いたラブソング的な捉え方をされても良き、なのではないかと思います。
たとえば日陰で揺れるその花を何故か愛しく思い
04.リトルブレイバー
このアルバムの聴きどころは『音の割れ』です。
常識的に考えれば音がバリバリに割れちゃうのはあまり良いことではありません(敢えてそうやって録る場合もある)。
機材がショボい。録音環境が悪い。ミキシングとマスタリングのスケジュールが地獄。などなど理由は無限に思いつきますが、それがバンドの若さと奇跡のマッチングを果たしこうした名盤が生まれたのは奇跡としか言いようがありません。
メロディアスと抑えどころを忘れたバンドサウンドの相乗効果が目の覚めるようなカタルシスを呼び起こす“リトルブレイバー”にもそれが満載です。
頼むぜ我らがスラッガー
05.ノーヒットノーラン
たとえば藤原基央氏が、家で野球を観ているときにでもこの歌詞を思い付いたとして、当時17か18歳くらいの少年が「望まれ、求められ、期待をかけられる重圧」をここまで切実に書けるのは、敢えて表現するなら異常ともいえます。
でも彼はバンドのフロントマンとしてそういう立場にいたんですね。
当時はインディーズがちょっとしたブームだったのかもしれませんが、十代のバンドが全国流通のCDデビューするというのは中々な事件であるのは間違いないはずです。
ライトからすぐ逃げたい
やってみると分かるんですが、ライブハウスの照明って慣れないうちは真冬だろうがクソ暑いです。お客さんもいてド緊張してる中、藤原さんは当時作詞作曲ボーカルリードギターまでを務めるバンドマスターです。四番でエースで監督みたいなスラッガーだったわけです。
なんてことを考えながら聴き入ってしまいました。
君がほんとに笑って泣けるような二人になろう
06.とっておきの唄
直球のラブソング。ただのポップでは終わらずギターは思いっきりブルースな音も使ってカッコ良く仕上げています。
そのカッコ良さが、可愛い。
本当に本意気なラブソングをやり切るのが恥ずかしくて、「いや、これだってロックだし」と、照れ隠しにこんな音になっているように思えてならないのです。
魔法のアルバムは続き続いて“新世界”の思い切った≪ベイビーアイラブユーだぜ≫にまで至ります。本当に地図にもない遠いところまで来たのではないでしょうか。
Prove Yourself.
07.ナイフ
重心が下がり、腰の入った良いアンサンブルです。
歌が始まった後のギターの音色からは今に繋がる宇宙的な雰囲気も感じます。
サビ前のリフはOasisリスペクトがあるような無いような気がします。まぁ愚直ですよ。どこまでもその時の全力を出し切る姿勢が土の匂いをさせます。
途中、咳をしていたり、最後のサビの畳みかける歌詞はブレスがちょっと浅かったのか苦しそうだったり、とてつもない切迫感です。
彼らのナイフは未だ鋭いです。切りたいものだけを切り裂ける鋭さを手に入れました。燃えるような情熱は、多くの人を包み込む温もりも備えるようになりました。