どうも( ^_^)/
先が辛くなるのが分かっているのにヒトカゲを選び続けていた者です。
名探偵ピカチュウ/Detective Pikachu
そこまで期待が強いわけではなかったのですが、スクリーンに映ったカラカラを見た瞬間「おお!」と思わず声が出かかりました。
予告編の映像では感じなかった実写版ポケモンというものの、ものすごさを体感しました。
これは、夢の映画です。俺みたいな平成一桁生まれが、七歳とか八歳とかの時分に夢見た世界が、目の前に広がっていました。
草むらをかき分けた先に、カラカラがいるぞ。モンスターボールを出して、捕獲しようとしてるぞ。失敗して逃げているぞ。スクリーンのそこかしこに、当たり前のようにポケモンと生身の人間が共存しているぞ。
字幕版を観たことを少し後悔しました。何しろ、ワンカットごとに所狭しと“日常”を過ごすポケモンたちの姿があるのです。きっと、作っているスタッフも楽しかったことでしょう。字幕を読む時間が惜しい。この世界を、ずっと眺めていたい。そんな気にさせる、見事な実写化です。
ライアン・レイノルズが声を当てたカフェイン中毒で電気の出せない探偵帽を被ったピカチュウは、もちろん可愛い。これもまた、静止画だと伝わなかった動きの可愛さが存分に表れています。賢い動物としての動き。
もちろん、リアリティのレベルが上がったことに対する“怖さ”も描写されます。冒頭でいきなり、ポケモンの攻撃によって人が死傷するという事件から始まる。ゲームやアニメではカイリューのはかいこうせんがぶち当たろうとも死にはしなかったですが、今回はピカチュウがほんの少しバチッとやっただけで痛そうです。10まんボルトなんてシャレにならない。
序盤に、凶暴化した大量のエイパムに襲われるシーンも、完全にモンスタームービーの文脈。くりくり目のエイパムが怖い。また、ポケモンの方も、ちょっとした落石で瀕死の重傷。ポケモンと暮らす世界の捉え方も、監督を始め楽しみながら描いてそうで、非常に良かったです。
未だに夢見心地な映画体験だったのですが、一つ、『ポケモン』という作品のルーツと、この映画の符合について。
もともと、ゲームフリークが制作した『ポケットモンスター赤・緑』は、任天堂が発売したファミコンRPG『MOTHER』のオマージュがちりばめられた、少し情緒的で、可笑しさと怖さが共存したちょっと異色のゲームでした。
その、オマージュ元の『MOTHER』の舞台がアメリカです。『ポケモン赤緑』の舞台は、日本の関東地方をイメージした地名でしたが、ここに来て、かつての“地元”に帰ってきた感があります。
アメリカではアニメの方が人気らしいので、あくまでもアニメ版の設定を推して進められたようですが、終盤辺りの少々の不気味さは、かつて遊んだゲームの感触を思い出させるものでした。
何にせよ、『スパイダーマン』と『ポケモン』が、日米の共通言語のようになっているのだなと思う最近の映画事情に嬉しくもなりながら、日本サイドの実写版も観てみたいと思いました。なんとかお願いします。
