曲を作っていないわけではないアピール~祖父江直人『太陽の国/月下の街』 | ライブハウスの最後尾より

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邦楽ロックをライブハウスの最後尾から見つめていきます。個人的な創作物の発表も行っていきます。

どうも( ^_^)/


思えば、昨年は実質一曲しか発表していなかった者です。


数があればいいというものではないことは、ここまで三十曲以上の未熟児を世に放ってきて理解しましたので、量産しようという気はあまりありませんが、それでも創作意欲が失われたわけではないことを誰にかは分かりませんが主張しておきたいので、詩という形でここに書き残しておきます。


タイトルは“太陽の国/月下の街”。ずっと頭の中にあったとりとめのない哀しい物語を限りなく短い文字数で表現しました。


太陽の国/月下の街



「世界が終わるまでずっと、この手だけは繋いだままでいよう」
冷たくなる少女の肩を抱いて彼は頷いた―――

     
ここは『太陽の国』 光あふれる世界 人々は皆黒い瞳と髪を持つ

国の外れのスラム街 人は呼ぶ『月下の街』 100年前の争いの罪を許されず差別され



祭事に逸(はぐ)れた少女を冷たい視線が刺す 追われるまま逃げ込んだ その先に待っていた

孤独に生きる青い目と白い髪の少年 運命は悲劇へと容赦なくページをめくる


  
In the sunlight land with little darkness 少年は少女(ひかり)に手を伸ばした
 
出逢ってしまった 見つめ合った 雨の打ち付ける 路地裏で

憂いを湛えた碧眼を見据え 少女はその手を強く握った

二人を叩く雨は止み そして 嘲るように太陽が雲を割る


少女は教えられてた「黒は光を受け入れる色だから私たちは祝福されているんだ」と

人目を忍ぶ森の中 少年は呟いた「青い目は光を見ると潰れてしまうんだ」と

逢瀬を重ねるたび 二人の影は濃くなる 月だけが照らしてくれた白い髪と白い心

なぜ人は解り合えぬことだけを解り合うのか どこからか新たな争いを告げる鬨の声




Under the moon town with hopeless 憎しみが際限なく広がって

「街を壊せ」「血を絶やせ」 戦火が二人の月を隠す

引き裂かれるか ここで終わるか 二者択一を迫る銃口

それでも手は離さなかった 世界よりお互いを求めていたから





In the sunlight land under the moon town 終わっていく世界で見つめ合って

「あなたの青を」「君の黒を」 最期の記憶に眠りたい

100年後 1000年後でもいい また出逢えた時にこの言葉を

「私たちはこの運命を 憎み そして 愛しました」