唯一無二のロックバンドへ~[Alexandros]直近のシングル4曲プラス1について | ライブハウスの最後尾より

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邦楽ロックをライブハウスの最後尾から見つめていきます。個人的な創作物の発表も行っていきます。

どうも( ^_^)/


結局、[Champagne]というカテゴリ名を替えていないままの者です。


俺のところにまでC.I.V.C.(バンドの改名を求めたワイン生産協会)から勧告が来たら替えます 笑


ということで[Champagne]改め[Alexandros]のニューシングルについて書いていきたいのですが、その前にこの改名について一つ書いておきたいことがあります。


※※


前身のバンド名[Champagne]の由来が洋平さんが敬愛するOasisの『Champagne Supernova』(シャンペン・スーパーノヴァ)という曲にあるのは知られた話。


しかし、いつかは『世界一のバンドであることを証明する』という大きな目的を持ったロックバンドとして、いつまでも(どうせまた活動再開するだろうけど)解散したバンドのシングル曲から拝借しているわけにもいかない、という考え方もできる。


はい、非常に勝手な推論と妄想を押し付けているのは分かっています。


俺が書きたいのは

『バンドがノエル・ギャラガーの背中を追うようなことを辞めた』

ということではなく

『他の模倣でも追随でもない“唯一無二のバンド”になるため、今一度改めて決意と覚悟を決めた』

ということです。


そしてそれはバンドの改名とは関係なく『Me No Do Karate.』のタームを抜けた後から既に始まっていました。


あくまで[Alexandros]になったのはイレギュラーなトピックというか、おまけの出来事。でも、そこに妙な必然性を感じてしまったのも事実だということを書き記しておきたかったのです。


以上、個人的な戯言でした。


※※


さて、せっかくなので、直近のシングル曲を全て聴きましょう。全部、滅茶苦茶良い曲です。




Run Away





美しいピアノの旋律と疾走するギターリフに乗って≪Run Away(逃げ出せ)≫と、しかし、決してネガティブな意味では無いことは、開放感に満ちた歌声で分かります。


川上洋平は、均質的で同調的で横並び的且つ無個性な≪中途半端な満足≫で満たされた≪『僕等』≫から逃げ出せと歌っている。この“Run Away”を生み出すことで洋平さんはロックスターの必須条件である『扇動者』としての自覚を得たのだと確信ました。



Oblivion





ちょっと鳥肌が立ちました。


一人の少年の物語に、これからのバンドの行く末を託したかのような歌詞の冒頭がこうなっています。


≪He was a boy who once had a dream
to be a king with an enormous ring≫

(とある一人の少年の話/夢見る少年の話/王になる夢/巨大な指輪を持った王)


全くの偶然だし、何ならこじつけでもあるんですが、まるでこれから王(Alexandros=アレキサンダー大王) へと名を変えるバンドの未来を暗示しているかのような歌詞にゾクッときてしまいました。


何しろ、一時はバンド名が[Leather Boys](レザーボーイズ)(ⒸPrimal Screamのボビー・ギレスピー)に決まりかけていたところを洋平さんが直感で「やっぱり[Alexandros]がいい」となったのだから。いや、本当に凄い人だと思います。


とても素直なメロディラインで紡がれた新たな決意表明の歌です。もう後ろは振り返らない。少し前がかりな歌いまわしが爽快なミドルアッパーチューン。



Adventure





これは凄い。


楽曲は、一時期のOasisやColdplayのように静かな立ち上がりからラストにかけて分厚いコーラスで壮大に盛り上げるUKロックの王道でありながら、歌詞は非常に日本的な韻の踏み方をしているという超ハイブリッドなミドルチューンです。



Droshky!





“Run Away”から“Adventure”まで、ロマンチックな雰囲気の曲が続いていましたが、思えばこれが彼等の必殺技だったな、と思い起こさせるようなパンキッシュなエネルギーに満ちたロックチューン。


プロテストなメッセージを送るロッカーや諦観と苦悩に溺れっぱなしの中二病的思想を全方位的にdisっておいて『人生は最高だぜ』と歌い上げる。ホーン隊の開けっ広げなサウンドと共に叩きつけられるアンサンブルが最高に気持ち良いです。



最後にもう一曲


Thunder


ミニマルなダンスチューンに、バンド史上最も加工された歌声が涼しげに響く楽曲です。


歌詞は、やっぱり内にこもるときもあるんだなという印象を受ける。打破できない現状はいつも横たわっているのだと感じるシリアスめな内容です。



ここからどんなアルバムが出てくるのかが楽しみだし、何が出てきてもきっと驚くのだろうなという予感があります。


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