この歌声が耳にこびりついて離れなかった~ウソツキ『金星人に恋をした』 | ライブハウスの最後尾より

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邦楽ロックをライブハウスの最後尾から見つめていきます。個人的な創作物の発表も行っていきます。

どうも( ^_^)/


目が覚めたらポルトガル代表のペペが頭突きをしていたのを見た者です。


ジダンの時もスアレスが噛みついた時も思ったのですが、この“手は使わないぜ”というサッカー選手としての最低限のマナーを結局は踏み外すこの手のファウルは何なのでしょう。


とりあえず、朝から「ウソだろ」と―――



(^ω^;)……ウソだろ



我ながら、驚天動地の下手さ。ええ、文章の繋ぎ方です。もうちょっと丁寧にやります。



凛として時雨、SEKAI NO OWARIの前身である世界の終わりや、ゲスの極み乙女。、忘れらんねえよ、コンテンポラリーな生活、それでも世界が続くなら


全部好きなバンドだし、何か不満があるわけではないのですが、こうして並べてみて、『ウソツキ』という名で迎え入れられる新たな仲間は、随分とスッキリしているなと思いました。潔い。検索してもそう簡単にヒットしないだろうと思ったらグーグルは彼らのHPを一番上に配置した。偉い。いや、SEO対策とかそういうことじゃなくて。


でも、そこから一歩引いた視点で見ると、なかなかにとんでもないバンド名です。


大言壮語は推奨されても、嘘を吐いてはいけないロックミュージックを奏でるバンドに、最も相応しくない名前であるはずなのに、一聴して、その歌声に思わず笑みが零れた。


このバンド、すごいことになるかもよ?


ウソツキ『金星人に恋をした』



ブログ恒例、初登場バンドのメンバー紹介


Vo&Gt.竹田昌和

ジャケットを見て、真っ先にボーカルだと分かる存在感。木下理樹と藤原基央を足して二で割ったみたいな風貌。最近Twitterを辞めたそうです。現在はマスコットのホラフキンのアカウントキャラクター戦略は大事です。


Dr.林山拓斗

ジャケットを見て、真っ先にドラムスだと分かる重量感。とはいえプレイは堅実且つ繊細。要するに上手い。




Gt.吉田健二

ギタリストでバンドのグッズ担当大臣。ウソツキ特有のキラキラとしたアレンジの中核を担っている人。



Ba.藤井浩太

ここで書いてもしょうがないかも知れないけど、HPから彼のTwitterに飛べない。

後悔するって書いていらしたので、拡散致しましょうTwitterに飛びます


※※


バンドの特徴としては、浮遊感のあるコード運びとキラキラとしたギターの音色が挙げられます。


でも、やっぱり一番はボーカル竹田さんの歌声。瑞々しさもありながら、高音部でハスキーに主張する。丁寧にビブラートを入れて、時に歌詞カードとは違う歌いまわしを見せる声が、とても良い。


アルペジオの細やかなギターが気持ち良く聴こえて“金星人に恋をした”“ダル・セニョールの憂鬱”といったこちらの予想を斜め上に裏切る作詞センスを見てスピッツのような空気感を感じる人が多いと思われます。これから、どんな色を見せてくれるのか楽しみです。


ではアルバムの曲を一曲ずつ聴いていきます。


※※





01.金星人に恋をした





透明な飛沫を上げたようなギターのキラキラした音から始まるミドルテンポの歌。


突然キスをしたと思ったらビンタして去って行った。最初のAメロで語られるこのシークエンスに、この歌の全貌があります。


つまり“訳が分からない”ということで、その分からなさを楽しんでいる。



02.君は宇宙


ゆったりと上昇していくようなメロディが特徴のややスローテンポの曲。


前半の歌詞を要約すると


「なんで月は裏側を見せずに回ってるのかな」

「隠している裏側がある方が魅力的でしょ」

「地球は裏も表もなくグルグル回ってるじゃない」

「そういう屁理屈屋なところあるよね」


いや、最後は完全にこちらの創作です。でも面白い展開なので、ぜひ聴いてほしい。



03.アオの木苺


ダークでシンセチックなサウンドから、ミニマルな四つ打ちの曲と、春先の休日を切り取ったような歌が始まります。


イントロの不穏さを解消する中盤から終盤にかけての展開や、前半に出てきた“予報に反した晴天”“わざわざ持ってきた折り畳み傘”といったワードが後半になって効いてくる、ショートショートの小説のような楽曲で、アルバムの中でも特に好きです。



04.京葉線SOLD OUT


京葉線には昨年乗って、幕張まで行ってきました。蘇我で一泊する小旅行でド平日の昼間と朝に乗りましたがそんなに混んでなかったです。完全な私事です。アウトロの踏切っぽいギターの音が良い味を出している曲とは何の関係もない。


海浜幕張(つまりQVCや幕張メッセ)、舞浜(つまりディズニーランド)で降りる人も多いものの、基本的には地方の生活路線という趣の電車で、つまりこれは誰もが過ごす日常にスポットを当てた歌なのだと思って聴きました。


『井の中の蛙大海を知らずとも幸せだ』と歌う中盤の歌詞がお気に入りです。



05.ピースする


『カイジ』の限定ジャンケン。今でいうと『ノーゲーム・ノーライフ』的な「出す手を敢えて晒す」タイプの駆け引きを詞に持ち込んだフォーキーな質感の楽曲。



≪ださなきゃまけ≫≪決断の時は迫っている≫と切迫した様子を見せて最後にタイトルを回収する巧みな歌詞展開が見事です。




06.ダル・セニョールの憂鬱


“D.S.”という音楽記号を見たことがあるでしょう。譜面の上でこの“ダル・セーニョ”に当たったらSに※を足したようなマークのところに戻ります。


チープなホーンの音も楽しいカントリー風の楽曲に乗せ、変わり映えしたのは空模様だけな日常を繰り返すダル・セニョール(誰だよ)の憂鬱を描いた歌。


歌詞カードにはまさしくその繰り返し記号が書かれていて、この曲を聴き終わったらリピートしなければいけません。何度でも聴きましょう。


D.S.