ラウドな夜~『draw dreams with ...tour2014』今池Club 3STAR | ライブハウスの最後尾より

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邦楽ロックをライブハウスの最後尾から見つめていきます。個人的な創作物の発表も行っていきます。

どうも( ^_^)/


一夜明けてなお、耳鳴りが止まぬ者です。


まぁ、安静にしていればすぐに良くなるものなので気にはしていません。

こういうところで無理をする人が難聴になります、お気を付けください。


昨日は久しぶりにインディーズ系のライブに行ってきました。

『名古屋の音楽シーン』というテーマでブログを書くのも久しぶりですな。

しかし、なんと、出演者の約半分が県外からの参戦者であったことを俺は知るのであった 笑


でも敢えてこのテーマでぶっこみます。

名古屋の箱に来たらみんなもう名古屋のアーティストだ(暴論)


THE STRANGE RASCAL Tour Live
『draw dreams with ...tour2014』
今池 Club 3STAR



東京のロックバンドTHE STRANGE RASCAL、Vo.のyasuomiさんという恐ろしくマメな―――どれくらいマメかというと去年一度だけライブを観てCDを買って少し感想をブログに書いただけの奴に名古屋ライブの度に「来てください」とメールをくれるくらいマメな―――男からの誘いを受け、行ってきました。


特に対バン形式のライブの前は知らないアーティストが多いということもあって、事前に下調べをしました。


これは、なんだかラウド系が揃っているなという印象。


ラウドロックと一口に言っても色々あります。


こと日本に限っても、初期のONE OK ROCKや10-FEET、ELLEGARDENみたいなパンク系。

Dragon AshやUVERworldやRIZEのようなミクスチャー系。

マキシマムザホルモンやPay money To my Painのようなメタル系。

MAN WITH A MISSIONやMY FIRST STORYのようなエモーショナルロック系。

凛として時雨やFear, and loathing in Las Vegasのようなカオティック、若しくはポストハードコア系。

SPYAIRのようにポップな方面に振ってみたかと思えば、DIR EN GREYのように我が道を突き進んで行ったり、最近流行りのEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)も音圧という面で見れば十分ラウドだったり、色々です。



そしてそれは無論今池の地下でも、本当に、色々でした。


出演順に一組ずつ振り返っていきます。


ZAHSAI

調べども調べども情報が出てこなかったものの、3STARのHPを確認すると何度かO.Aとして参加しているバンドなので、結構箱からプッシュされているんだなと思いつつ待っていました。


そして分厚いシーケンサーの音と共に出てきました。

なるほどグローバルスタンダードなEDMラウドロックか、などと知った顔をしていると、顔中ピアスの気の良さそうなあんちゃんたち(女性含む)が登場。
そのソウルもまた、ラウドです(顔が騒々しいというわけではありません)。


しかし曲が始まって度肝を抜かれた。


一言でいうと、カオス。ポストハードコアという既存の音楽をぶつ切りにしてごった煮にした音楽をさらにみじん切りにしているようなカオスっぷり。


そんな一曲目、いやもう転換が現代音楽レベルでコロコロ変わるので一曲だったかどうかも疑わしい一曲目が終わって

「名古屋の前菜バンドZAHSAIです!!」

なんてMCもちょっと上の空で(おい)、とりあえずこの興奮はブログに書こうとメモ帳を取り出していたのでした。


二曲目以降は割と落ち着いていたのも面白い。O.Aということで三曲(多分三曲)しか聴けなかったけれど、面白いバンドに会えたなと思いました。



ADFORCE


名古屋の四人組メタルコアバンド。


いや、メタルってのも色々あるんですよ。ホルモンだってメタル系だけどやってることはまんまポップだし。


だからどんなのかなと思ったら、ボーカルは最初から最後までMC以外はデスボイスで、バンドのアンサンブルは完全にメタリカライクで(俺はHR/HMを全く不勉強なので大抵メタリカと書きます)、ずっと雷鳴のような音を出し続ける“ガチ”のメタルコアバンドでした。


HR/HM界隈からは「ああ?メタリカ一本で語ってんじゃねーよ舐めんな殺すぞ」と言われそうな俺ですが、こういうの、大好きです。


夏フェスでよく聴く四つ打ちダンスロックのアンチテーゼなんてことじゃなく、単純に自分たちがやりたいからやるんだという青春性のある意志が伝わってくる演奏。

だってHR/HMで踊れないじゃない?お客さんもガチっぷりにキョトンとしてるじゃない?それでも自分たちのサウンドを信じて演るって、素敵じゃない? 笑


まだ10代だという彼らは、演奏プレイヤーとして、特にバンド全体のリズム感という面で研鑽が必要な部分は多いものの―――何しろこのジャンルのリスナーは聴く耳が厳しい―――続けてほしいと思いました。


愚直に、誠実に、自分の信じた音の力を信じて、その年であのレベルのデス声が出せるのはもう才能だから。



クロノスタシス


キレの良いエモロックを奏でる神戸の五人組ロックバンド。


関西圏アーティスト特有のやんちゃなポップさも、オーディエンスに笑顔を振りまきながら演奏するパフォーマンスの余裕ぶりも、ADFORCEとは好対照。


MCで程よく初めて聴くリスナーも溶け込ませていける隙を見せながら、丁寧に盛り上げていく様からは成熟したキャリアを感じました。


歌詞が潰れないように聴かせる曲もキャッチーで良い。名古屋は少し慣れるまでに時間がかかる土地なので会場全体が踊り狂うということにはならなかったですが、めげずにまた来てください。







さて、全編4時間以上に及ぶ長丁場だったのでいったんここで切ります。


後半戦は“激情型ロックバンド”からスタートしました。