プロンテラにある4人ぐらいの男に囲まれた露店がある。

リリアの露店であった。

「おぉ、リリアちゃん!今日も可愛いねぇー、好きな人とかいるの?」

「えっと、そのー・・・」

リリアは戸惑いの表情を見せていた。

リリアの露店はリリアが可愛い、おまけに消耗品の品揃えや、リリア特製のポーションが普通のより効くなど評判がよく、訪れる人も結構多い。

「リリア、お久しぶり!」

一人の女性がリリアと近ずいてくる。

「あ、エレナ、お久しぶりです。」

「アキラ見なかった?」

「いえ、見てませんけど。」

「そう・・・、じゃまたね!」

「え、あ、バイバイ」

エレナは手を振りながら猛スピードで走り去っていった。

リリアは少し不思議に思いながらも手を振り返した。


アキラはそのころ、武器を修理してもらい、家に帰る途中だった。

ざわめき合う露店が並ぶ道、そこに聞き覚えのある声が混じっていた。

「アーシャ!お願いだから二人で一緒に狩りいこうよー!」

「だーかーら、なんでハンター同士で狩りいくのよ、普通はプリーストと組むのよ!?」

アーシャとそのアーシャに想いを寄せてるハンターのミックがいた。

「そんなこときにし・・・・ごふっ」

ミックの腹にアーシャの足がめりこんでいた。

「しつこい男は嫌われるよ!」

アキラはその場から今すぐ家に気付かれずに帰ろうと思って走り出そうとした瞬間、急に後ろで女性の声が聞こえた。

「ア・キ・ラ」

「ふぇ?」

後ろからガバっと急に女性に抱かれた。

!?

背中から丸くて柔らかいものが2つあたってる感触が伝わってくる。

「エ、エレナ!?」


エレナとアキラは、アキラの家にいた。

エレナは仕事の都合で、アキラ達の前から一時期姿を消していた。

「仕事のほうは落ち着いた?」

アキラが尋ねた。

「うん、大分落ち着いてきた。」

「それはよかった。」

「色々と疲れたから、久しぶりに皆と会いたくなってね。」

「皆とはあったのかな?」

「リリアとは会ったわ。」

「ふむ。」

「ちょっとアキラに用事があってきたんだけど・・・。」

「その用事とは?」

「ダークロードをやるのに手伝ってほしいの。」

「え!?」

アキラは目を丸くした。

「ダークロードは300年前に死んだはずじゃ?」

「それが詳しくは知らないけど死んでなかったのよ。」

「それで・・・どうなの?」

「・・・。」

「一応討伐メンバーはキーア、その他にプリーストが一人いるわ。」

「4人か、行けるのか?300年前は腕のたつ者が200人でやっとのこと、って聞いたぞ。」

「3日前、30人のプロンテラ騎士団の人達がダークロード討伐へと行ったの。1人も弱いという人はいなかったわ。けど、いきなり連絡がとれなくなって心配になってね。まぁ、それでも私達4人でも十分でしょう。」

プロンテラ騎士団とは、簡単に言えば警察のようなものだ。キーア、エレナも属している。

昔アキラも属していた。その中でもキーア、エレナ、アキラはずばぬけて強かった。

以前、バフォメットを討伐しにいったが、騎士団のメンバー50人がかりで倒せなかったものを、3人で倒してしまった。それもその3人のメンバー1人でも倒せるくらいだった。

「わかった。じゃ俺もいくよ。」

「まぁ、ありがとう!とても助かるわ。じゃ騎士団集合ね!準備でできたらでいいから来てね。

「あいさ。」

「それと、これはオ・レ・イ」

エレナは急に椅子から立ち上がり、アキラの右ほっぺへと唇をつけた。

そしてエレナは走り去っていった。

アキラはその場にぼー然と立ち尽くしていた。


バタンとドアを開けた。

「よぉ!アキラ!」

キーアの声が聞こえる。エレナも手招きしていた。エレナの前に、ある女性のプリーストがいた。

「この子がさっき説明したプリースト、支援魔法がアキラと引きをとらないわよ。」

「アキラ・ブライズです。宜しく。」

「ミイナ・ミカイです。こちらこそ宜しくね。」
ミイナは微笑ながらいった。

「まぁ自己紹介はこれまでとして、早速いきましょうか。」

4人は外へと出て行った。

「準備はいい?」
ミイナは行った。

他の3人は返ってくる答えはひとつだった。

4人はミイナが出したワープポータルへと吸い込まれるように光へと入っていった。

丁度ゲフェンの西の出入り口へと着いた。

そこから徒歩で行った。

「心配だね・・・。」

「へ?」

「30人・・・皆大丈夫かな?」

「きっと皆グラストヘイムの一部屋利用して酒でも飲んでんじゃねーの?」

キーアが行った。
「アハハハハハ、そうかもしれないね。キーアの酒の分はないから呼ばれなかったんじゃないの?」

キーアがそりゃーねーよといい、二人は爆笑していた。

その様子を他の二人は黙って見ていた。

そんな話をしている間に4人はグラストヘイム前へとついた。

「準備はOK?」

ミイナと同じく言うようにしてエレナが聞いた。

3人はコクンと頷いた。

4人はグラストヘイムの敷地へと入った。

少し歩いていたら3人の人間の死体があった。

「これは・・・」

エレナが3人の死体の様子を見ていた。

ハンター二人、ナイト一人の死体だ。

どれも最近死んだように見える。

「恐らくこれは騎士団の者だわ・・・」

「むぅ・・・」

それから少し歩いたところにも、数名の死体があった。

グラストヘイムの南門を通り、庭に着いたとこだった。

ダークロードがいた。ダークロード以外にレイドリック、カーリッツバーグ、深淵の騎士、ガーゴイルの500近く群れがいた。

恐らくどこかに攻めようとでもしてたのだろう。

4人は急いで武器を取り出し、戦闘態勢へとはいった。

エレナがロードオブヴァーミリオンを唱え始めた。

無防備な、エレナを守るようにしてアキラ、キーアはエレナの前へと出た。

その後ろにミイナがいて、皆に速度追加とブレッシングをかけていた。

ガーゴイルの放つ矢を、ミイナはニューマを張り、ニューマの中に矢が吸い込まれるように無くなっていった。

「ロードオブヴァーミリオン!!」

エレナが大魔法を放った。

かなり大きめの雷が落ちてきて、モンスターはどんどん消えていった。

普通のウィザードとは思えない威力だった。

そこに一人、キーアが残ったモンスターの群れに突っ込んでいった。

「グランドクロス!!」

キーアとエレナの攻撃のお陰で、ダークロード以外の敵が蒸発したようにいなくなっていた。

そこへダークロードが密かにメテオストームを唱えていた。

ダークロードのメテオストームも凄まじかった。

かなり大きめの火の岩が雨のように降り注ぐ。

キーア、アキラがなんとか危なかったが避けていた。

「ぐぉ・・・!」

苦しんでいたのはダークロードのほうだった。
ミイナが密かにマグヌスエクソシズムを放っていたのだ。

威力は低いが、隙をつくのに十分な時間を作ってくれた。この短時間で、それもメテオストームも落ちてきてるというのに、マグヌスエクソシズムを放ったのだ。

「今だわ!」

今度はアキラがマグヌスエクソシズムを放った。

詠唱時間はミイナと比べて数倍遅かったが、これも普通のプリーストとはかけ離れた威力であった。

「ぐあああああああああ!」


ダークロードは地面に膝をつけた。もう死が近いことは誰が見てもわかるだろう。

「こん・・・な・・・若造共に・・・」

「も・・う・・・遅い・・・・」

ダークロードは最後に一言呟き、ガクンと頭が下がった。

4人は、ダークロードの最後に呟いた言葉の意味がよくわからなかった。

少し歩くと、10数人の死体が転がっていた。

「30人・・・全滅ね・・・。」

エレナが言った。

「とりあえずアキラ、ここからは私達の仕事だからアキラは帰っていいよ。今日は本当にありがとう。おつかれさま。」

「おう!アキラ!本当に助かったぜ!おつかれさ~ん!」

「おつかれさま!」

それからアキラはミイナが出したワープポータルの光に包まれていった。




アキラは青ポーションなどを求め、リリアの露店に足を運んだ。

「青ポーションですか?ごめんなさい、今在庫がきれてまして・・・」

リリアは頭を下げながらいった。

「いやいや、大丈夫だよ。」

「いつも知り合いから原料となるハーブ類を仕入れているのですが・・・、その知り合いが風邪をこじらせ、当分の間寝てるそうなんです・・・それもその風邪がひどくて中々熱が下がらないそうなんです・・・。」

「あらら・・・」

「フベルゲルミルの泉に行けば、ハーブがたくさん手に入るのになぁ・・・」

リリアは呟くように言った。

「んじゃ、行ってみようか?」

「え!?」

リリアは驚いた。

「いや、今暇だし・・・あそこに行くとなんとなく気持ちが落ち着くからさ、それに色々サービスしてもらってるしね。」

「ありがとうございます!では宜しくお願いします。」

リリアはにっこりとうれしそうな笑顔を見せながら言った。

アキラはウンバラへと続くワープポータルを唱え、二人ともワープポータルへと吸い込まれるように包まれていった。

フベルゲルミルの泉は、ウンバラダンジョンの奥にあり、行くのは大変ではあるが、ポーションの原料となる、ハーブ類がたくさんはえている。

アキラとリリアはウンバラについてから早速目的地への道のりを歩きだした。

やはり行く手を阻むモンスターが次から次へと沸いてくるが、アキラの敵ではない。

ウンバラダンジョンに入ってから結構の時間がたった。

アキラとリリアはやっとのことで泉へと着いた。

アキラはニブルヘイムへと行く通り道で2,3回通ったことはあるが、ここの空気はとてもおいしい。

「ここにくると心が本当に落ち着きますね。」

とリリアは言った。

足元を見ていると赤い草、白い草、青い草、黄色い草などがたくさん生えていた。

「その草からポーションが作れるんですよー。」

リリアはいつもの可愛らしい笑顔を浮かべ、草を大事そうに採っていった。

「ちょっと俺は疲れたから少し休むわ」

「私は少しハーブとりに行ってくるので少し待っててくださいね。」

そういうと、リリアはアキラの視界から消えていた。

アキラは横になり、泉を見ていた。

(水がきれいだな・・・)

アキラはいつのまにかグッスリと寝入ってしまった。

2時間程時間がたった。

「ごめんなさい!お待たせしちゃいまして・・・。」

リリアはアキラが寝ているのに気付かずに言った。

「あらら」

リリアはにっこりと微笑み、アキラの寝顔を見ていた。





まだ闇の中。

一筋の光が差し込んできた。

誰かのドアを叩く音が聞こえてくる。

アキラは欠伸をしながらゆっくりとドアへと進んでいった。

「おっはよっ!」

ドアの鍵を開けた瞬間その前にはアーシャが手を挙げて立っていた。

「あぁ・・・おはよぅ、まだ朝の7時ですが・・・?」

少しアキラは寝ぼけているように見えた。

「今日はアキラの誕生日でしょ?だから早く狩りをしてゼニー稼いで狩り終わった後でもぱーっとパーティでもしよっ!」

「そういわれればそうだったっけな、しかしよく覚えてたなー。」

「もちろん覚えてるよ・・・」

アーシャは顔を赤くしながら呟くように言った。

「え?」

アキラは首を傾げた。

「そ、それより今から1時間後にゲフェンの宿の前に集合ね!」

といい残し、ドアをバタンと閉め走って去っていった。

アキラは自分の部屋に戻り、狩りの準備をした。

まだ約束の時間より40分以上も余っていたので、露店でブルージェムストーンなど買おうと思い、外へと出て行った。

しかし、やはり朝早くからは露店をひらいてる人はあまりいなかった。

(こんな朝早くじゃ、流石に売ってないよなぁ・・・・)

そう思いつつ、露店を一軒一軒見ながらブラブラと歩いていった。

「よぉ!アキラ!」

後ろで声がした。

声の主はクルセイダーの鎧をきた親友のキーアだった。

彼とは結構前からの付き合いで、アキラがアコライト、キーアが剣士のときからもたまに狩りへと行ってたりしていた。

今もアーシャほどではないが、たまに狩りに行くときもある。

「やぁ」

アキラは元気のなさそうな声で返した。

「元気ねーなぁ、もしかして朝っぱらからアーシャちゃんとデートか?」

ニヤニヤしながらキーアはいった。

「その通り」

「全く、お前にはまだリリアちゃんやエレナちゃんとかいるん・・・」

「ところでリリア見なかったか?」

アキラまた欠伸をした。

「そういえばさっき見たな、確かあそこを右いってこっちいったり・・・多分道具屋の方向かな。」

「あー、そう、ありがとう。んじゃ俺はこれで。またね。」

アキラが手を振ってその場から去っていった。

「っておい、まぁいいか、んじゃがんばれよ。」

キーアも手を振り替えした。

あるアルケミストの女性が道具屋から出てきた。

「おーい、リリアー」

リリアが振り向いた。

「あ、アキラさん、おはようございます。」

「ああ、おはよう。」

リリアは会釈をし、慌ててアキラも頭を下げた。

「アキラさんがこんな早い時間に・・・、どうなさいましたか?」

「ああ、ブルージェムストーンとリリアの特製の白ポーションを幾つかほしいんだけど・・・」

「ちょっとお待ちを・・・。」

リリアはカートの中を漁った。

それからリリア特製の白ポーション、ブルージェムストーンをゼニーを渡し、礼を言って受け取った。

「んじゃ俺はこれで」

アキラがワープポータルを出そうとしていた。

「あ、待って下さい。」

リリアが呼び止めた。

「これ・・・私が作ったものですが・・・もしよろしければ・・・」

そういい、オレンジジュースを渡してきた。

「丁度喉渇いてたとこだったよ。有難う。」

オレンジジュースを口の中へと運んだ。

「おいしい・・・・これは結構いけるよ!」

「アキラさんに言われると・・・とてもうれしいです・・・」

リリアの顔が少し火照っていた。


アキラは約束の時間通り宿へ着き、いつも通りアーシャとグラストヘイムへと足を運んでいった。

気付けばアーシャはいつもより大量に罠を持ってきていた。

「ア、アーシャ、な、なんでそんなに・・・?」

「私、昨日罠の使い方特訓したんだからねっ!昨日みたいには絶対にならないんだから!」

「それ言ったのなんかい・・・うごふ!」

アキラの腹にアーシャの手がめり込んでいた。

アキラは体を丸めるようにして歩いていった。

グラストヘイム騎士団2Fにつき、いつも通り狩りを始めていた。

やはりアーシャは自分の仕掛けたトラップを自分で何回も踏んでいた。

アキラはそれを見て笑っていた。だが、その瞬間、パンチが腹へと次々とめりこむ。

そして、4時間がたち、いつも通りプロンテラへと帰っていった。


夜は友達など皆呼び集め、アキラの誕生日を皆で祝っていた。