アキラはキーアとモロクの酒屋で待ち合わせをしていた。
「よぅ!」
「へい。」
アキラとキーアは軽く挨拶をして、キーアに手招きをされて椅子へと座った。
「んまぁ、それで早速本題に取り掛かるのだが、これ、ダークロード討伐の報酬金。」
キーアはケースをアキラへと運んだ。
「ああ、って、うぇ!?」
あまりの金額に目が丸くなった。
「本当にこんなにいいのか?」
キーアはうなずいた。
「あのダークロードを4人でだ、こんぐらい当たり前かもしれないな。」
「これバフォメットやったときよりも軽く越えてるぞ?」
「この金で10年間ぐらい遊んでくらせんじゃねーの?」
アキラとキーアは爆笑した。
「あれから30人はやっぱり全滅か?」
「あぁ・・・。」
「・・・・。」
少しの間沈黙が流れた。
アキラは何を話せばいいのかわからなかった。
「おっと、俺は用があるからそろそろ出るか!」
「ああ」
アキラとキーアは会計を軽く済ませ、外へ出て行き、二人は離れ離れになった。
歩いてるうちにどんどんと裏道へいき、人が少なくなっていった。
その時だった。
微かに後ろに人がいる気配がした。
人が誰もいなくなったのを見計らい、今から攻撃を仕掛けるところだったのだろうか。
「誰だ、そこにいるのは・・・。」
「・・・・。」
誰もいなかった筈のアキラの背後から一人のアサシンが姿を現した。
「お前は・・・、もしやジンク!?」
「ジンクなのか!?心配したんだぞ!?3年間もどこへ・・・」
アサシンはアキラの言葉に聞く耳を持たず、静かにカタールの刃をアキラへと向けた。
「な・・・」
ジンクと呼ばれたアサシンは、足音をたてずにアキラのほうへと向かっていく。
アキラは半分混乱しながらもモーニングスターを取り出し、構えた。
ガキン!
ぶつかり合った二人の戦士。
(一体どうしたんだ・・・。)
死ぬか生きるか、少しでも隙を見せたら逝ってしまうような死闘だった。
ジンクのカタールを扱う攻撃は嵐のように流れていく。
アキラもなんとか攻撃を弾いている。だが、それだけでも凄いことだ。
所詮はプリースト、戦闘職の敵にかなうなんて無いことだ。
しかし、そのプリーストは鬼人の如く攻撃を避けては隙を見て攻撃をし、手数は少ないが、アキラの攻撃をジンクは苦戦しながらも避けている。
所詮は支援職、仲間をサポートする職業、だが、アキラは支援職のはずだが、
腕の良い一流の戦闘職でも引きをとらない、
鬼人・・・その名はアキラ・ブライズ。
アキラは攻撃を避けつつ、隙をみつけてジンクの腹へと蹴りをお見舞いした。
だが、それはジンクの計算の内だった。
効いたと思わせ、距離をとるのだ。
「ソウルブレイカー」
ジンクは静かに言った。
油断したアキラが致命傷は免れたもの、少し深い傷を負ってしまった。
「ヒール!!」
アキラは光のオーラに囲まれ、傷が元の皮膚へと戻っていく。
しかし、ヒールを唱えるのに夢中だったアキラが、ジンクに自分の背中を取らせてしまったのだ。
「ソニックブロー!!」
猛スピードで止まることのしらない8発の攻撃が背中からお見舞いされる。
それをアキラは6発は止めたもの、2発は体へと受けてしまった。
ジンクはまた距離をとった。
「ソウルブレイカー!!」
「ニューマ!!」
ジンクの放った武器から出た黒き疾風は、霧の中へとなくなってしまった。
今度はアキラから突進していった。
ヒールをするのかと想い、はっと我に戻るが不意の攻撃にモーニングスターが腹へとめり込む。
くりひろがる死闘、ただ時間だけは流れていった。
武器と武器が交わる音が激しくうなるように聞こえる。
だが、さっきのソニックブローで手に傷を負ったアキラは若干さっきの攻撃速度と比べ、落ちていた。
ブシュッ
アキラの背中から血が噴出した。
ガクンと肩が下がり、地面へと座りこんでしまった。
もうヒールする体力がない。
意識も遠くへと飛んでいきそうだった。
その時だった。
一人の女騎士が目の前へと立っていたのだった。
カタールをツーハンドソードで食い止めてくれたのだ。
その女騎士とは・・・グラストヘイムで助けた女騎士、シーアだった。
「ツーハンドクイッケン!!」
シーアの体が黄金へと包まれていった。