Dr. Buzzard's Original Savannah Bandの有名曲、Sun Showerは、それまでもメロディや曲も知ってたんだけど、誰の曲か分からなくて、気になってて、ようやく数年前に、遅まきながら、彼らの名前を知って、うわーーーと恥じ入ったんでした。スティールギターに、華奢なストリングスに、何と言っても一番のポイントは、アフロなパーカッションの響き。イントロのスペイン語の語り&パーカッションのプリミティブな響きから、スティールギターのストレンジな演奏、子供のコーラスに、フィーリーソウルを思わせる、ストリングスの瀟洒なアウトロと、全てが恰好いい。

 

 なので、この曲に惹かれるのは、メロディとかよりも、アレンジ。特に、イントロのスペイン語での語り+パーカッションが、カンドンブレみたいな、アフロ系宗教の歌みたいに、ブラジルのアフロ音楽好きから見ると、思えるんですよね。

 実は、歌詞も、そういうカンドンブレの祈りみたいな歌詞に思えたり…。あなたに出会って太陽の光が私に降り注いだとか、何とか、そういう歌詞で。ブラジルのカンドンブレも自然崇拝というか、そういう自然を支配する神々が居て、彼らに祈る形なので。ラストに繰り返される、そのアフロ的なパーカッションのリズムも、やはりブラジルだけではなく、中南米各地に散見される、カンドンブレと同系列の、サンテリアなどのアフロ系宗教の音楽を、彷彿してしまいます。それが一番のポイントかな…。

 ※ま、この曲のアフロなパーカッションは、ラテン&アフロっぽいけど、ちょっと独特で、厳密には、サンテリアとかカンドンブレのリズムとは違うんですけどね。日本のお囃子とか、鼓のリズムっぽいノリがあったり(笑)。何でそういうリズムを使ったんだろう…?。ちょっとオリエンタル的というか、東洋というより、中近東的なリズムも感じる…。安直に、サンテリア等の宗教系アフロ音楽のリズムを使って、分かりやすくせずに、アレンジしたアフロリズムを使ったのが、彼らなりの、NWっぽいヒネリなのか?。

 が、さらによーく聞くと、小さな音で、一番奥の方で、一番ベースの部分で聞こえるリズムは、シェイカー的な楽器が刻んでるリズムがあって(ブラジルで有れば、シェケラという、アフロ系パーカッションが担当する感じのリズムです)、やっぱ、ブラジルのイジェシャーとかのアフロのリズムと似てる気がします。反復する単純なリズムですが、ちょっと催眠的なリズムです。太鼓以外のパーカッションの音に注目してみて下さい…。他の太鼓とかストリングスなどが多い部分では分かりにくいので、歌がメインのパートだと、シェイカーのリズムが聞き取りやすいです。(※も、もしかしたら、シェイカーではなく、タンバリンを振る時のジルの音かもですが…でも、リズムはシェイカーっぽい、ブラジルのシェケラっぽいリズムですね。ま、鈴的になってる音の数が、タンバリンのジルの数より多いので、その後で、雨の音っぽいのを再現する、シェイカーか、それと似た楽器の音も聞こえるし…。タンバリンと言うよりは、シェイカーかな…?)

 

 これに気付いた時に、ああ、こういう音楽が、米国のポップ音楽の中にあったんだーーとしみじみしたんでした。Dr JohnのVoo dooもののアルバムとかあるけど、なかなか見ませんよね。ブラジルのアフロ的な祈祷や、そういう歌の歌詞は(カンドンブレの歌詞は、殆ど知らないけども。ヨルバ語読めないし、カンドンブレの日本語訳、多分ほとんど見た事ない気が…)、あなたが私を守って下さいますように、あなたは素晴らしい、空の上から私を見守っていて、私に光をふり注いで下さる、そして今後も、私をお守り下さい…的な歌詞が多くて、そういう歌詞と似てると、個人的には思うんでした。この曲の歌詞の訳を見るけど、ラブソングとして訳した人がいたけど、そういう自然崇拝というか、自然の神への祈り的にもとる事ができたり…。

 私は人生中でずっと、雨の中を歩いていたけれど、あなたに出会って、Sunshowerが私に降り注いだ…という一節とかは、ラブソングっぽいと、取る事もできますが…。それでも、カンドンブレっぽい~。というか、前に歌詞を読んだ時は、ざっと目を通した程度で、それでもカンドンブレの祈りの歌っぽい…と感じたけど、やっぱ、今回ちゃんと読んでも、ラブソングというより、私に愛をくれる人、私を見守る人への、自分の忠誠を誓い、相手に感謝する歌詞、という風に読んでしまう…。天から自分にSunshowerがふりそそぐイメージとか。

 Sunshowerは「太陽の光」ではなくて、「天気雨」らしいんですが(なので冒頭で雨の降る音がする…)、「あなたは私に光を与えた」とか、そういうフレーズがあるので、やはり光が降り注ぐイメージも持ってしまったり…。ラストの8行が、まさにそのスタイル。
 カンドンブレの歌詞と似てるーーと思った事の一番の理由は、このフレーズですね、「Sunshower, just a sign of the power」。こういう感じのフレーズがアフロ系の歌詞も多い。「サンシャワー、それは力のサイン」的なフレーズ(↑のフレーズの後に、Of Loving Youと続きますが)。

 あと、そういう雨が降ったり、太陽が照ったり…という自然の動きを、歌に詠むんですよねー、アフロブラジル系の音楽では。カンドンブレの歌詞は、正直全く詳しくないんだけど、アフロ系サンバの歌詞とかで、よくあります。カンドンブレの神は、自然の太陽の神、川の神、雷の神…という風に、自然の要素と一体化してて、これらはアフリカのヨルバの神が伝わっているので、似た宗教である、キューバのサンテリアなどの神オリシャも、同じオグンなどが居て、割と似た構成になってます。

 

 というか、ここも一番のポイントなんですが、後ろでリンク貼ったブログの説明によると、Dr Buzzardは「呪術師」だそうなので、カリブの呪術師と言えば、やっぱサンテリアとかブードゥーの祈祷師、司祭だよね…とブラジルのアフロ音楽好きな人なら、思ってしまう訳で…。いかがでしょう、ラテン圏のアフロ音楽のリスナーの方々。多分、普通の英米ポップスのリスナーは、そういう見方は、なかなかしないですよね。ま、全体通して読めば、ラブソングっぽいんですけどね。でも、バンド名から、こう思ってしまう…。

 

 私が、このSunshowerの歌詞を見て、思い出したのは、こんな感じの歌詞ですね。すごくスタイルが似てる。ま、アフロ系のパーカッションがイントロ、アウトロと入ってるし、単にアフロ系のパーカッションを導入したという歌じゃなくて、多分、そういうエッセンスのある歌かも…?。Os Orixasは、ブラジルのそのカンドンブレの神を指します。この曲のイントロのスペイン語パートで、Oyeloというフレーズが出て来るけど、これはどういう意味なのでしょうか?。アフリカ系言語のヨルバ語?と思ったけど、ググったら、スペイン語で、英訳するとHear itの意味だそうです…。Sunshowerのイントロは、↓こんな感じ。

 

Oyelo...
Mi sabor...
 

Hear it…

My Taste…

 

ですかね、英語に直訳すると。スペイン語苦手なので、合ってます…?。

 

 

↓一応、訳した歌詞のコピーを貼っておこうかな…。Orixaは、書いたように、アフロ系宗教の神の事です。オグン、イエマンジャ、オシュン等の神が居る。カンドンブレなどでは、神ごとに掛け声が決まってて、サウダサァンSaudacaoは、その掛け声の祝詞のこと(カンドンブレなどのブラジルのアフロ系宗教の専門的知識が薄いので、説明に間違いあるかもです)。

 この曲の冒頭で語られる言葉は、多分、カンドンブレで使われるような、アフリカ伝来の言語、ヨルバ語じゃないかな…?。違うかもだけど、ポルトガル語じゃないので、その系統の言葉ですよね。私の歌詞カードには載って無かったけど、ググったら、

 

Olodumaré
Mojuba
Alaroiê
"Elebaráô"

と言ってるそうなので、多分、ヨルバ語系では?。さすがにメジャーなヨルバ語の、Olodumaréは聞き取れましたが…。

 

基本的に、カンドンブレの歌は、ヨルバ語の歌詞が多いんですよね。ずっと下の方に載せてる、ナターシャから出たカンドンブレの歌も、ヨルバ語系のはず。この辺りの知識は、カンドンブレなどの専門サイトをご参照下さい。

 

Trio Mocotó - Os Orixás

 

 

 

Os Orixas

私はオリシャにお願いしたよ
私の父なるオグンとイエマンジャ
母なるオシュンと全ての子ら
何をなさるか、私に伝えるように
私が失ったことのない、私の信仰のために
前を見て、いつも信じています

Oia oo Xango Oia oo Xango

オショッシと共に森の中のあちらに
自然の中に
滝の中で太陽が輝くのを見る
千年の経過の中で
私のブラジルに頼んだよ
Saude Paz Amor  e  Muito  Axe!    

Oia oo Xango Oia oo Xango

雨が降ったので、うれしいよ
彼女(オリシャ)が、ここにいることを示すために
強い光が、私の前に差したよ
女戦士のYansaだよ epa rrei!(←Yansaのためのカケ声、祝詞:Saudacao)
epa rrei epa rrei epa rrei Yansa

 

 

※一応、Sunshowerの英語歌詞も貼っておきましょう。

 

 

Sunshower

 

Sunshower, just a sign of the power
Of loving you, oh, baby
Sunshower, got me by the hour
Wanting you, oh, baby

When my eyes went out to you
I made up my mind
That every little thing I do
Be designed to glorify you


Ooh, my whole life through
I've been walking in the rain
Until that day, I chanced on you
And the sun came pouring down too

[Chorus]
Sunshower, just a sign of the power
Of loving you, oh, baby
Sunshower, got me by the hour
Wanting you, oh, baby

[Verse 2]
Ooh, a passing word from you
Makes my day worthwhile
It takes all of my deadened dooms
On a ride to a faraway moon

On the dark and troubled sea
You gave me the light
And now I'm sailing so fast and free
Leaving stormy skies behind me

 

 

Sunshower (Remastered)

 

 Dr Johnのアルバム、Gris-Gris。ブードゥーとかのアフロ宗教音楽から、影響受けてますね。1曲目とか2曲目とか。今回、ちゃんとまともに聞いた気がする…。前も聞いた事はあったと思うけど…。こういうブードゥーの音楽要素を取り入れたアメリカ音楽って、他にどういうのがあるのか、思い浮かびません…。詳しい方、示唆頂ければ…。多分、他にも色々有るんだと思うけど、私の知識不足…。が、ファンクの曲でも、アフリカっぽいパーカッション使った曲とかあるけど、ブラジルのアフロ系音楽とかMPB、サンバであるように、カンドンブレ的なリズムを使った曲、ブードゥーのリズムの曲って、ソウルやファンクでは、思い出せない…。私は、Funkのアーティストをベスト盤とかで聞いた事が多いので、ベスト収録の有名曲ばかりなので、各ファンクアーティストのアルバムの中で色々探したら、さすがにアフロ宗教的な、ブードゥー的なリズムを使った曲も有りそうですが…。いかがでしょうか?。何でだろう?。多くのアーティストはクリスチャンだから、別宗教のリズムを使えないのかしら…?。

 なので、70年代のファンクとかよりも、ずっと新しいジャンルだけど、ワシントンのGo Goとか、超アフリカっぽいと思ってて、すごく好きなんですよねー。ブラジルは、その点、ま、奴隷制度がアメリカよりも長く残ったせいもあるけど(汗)、音楽や文化の中で、アフリカ要素が濃いんでした。ブルースも、アフリカを感じさせると言えば、そうなんだけど…。

 というか、Dr…という呼称が、共につくので、もしかして…と思ったら、恥ずかしながら知らなかったんだけど、Dr Johnの芸名は、昔の有名なブードゥーの司祭の、Dr Johnから取られてたんですね…。何かのあだ名的な芸名かと思ってたら。

 ブラジルのカンドンブレの場合は、司祭的な人は、Mae de Santoとか、Paiとかの呼称なのですが、米国のブードゥーの司祭の場合は、全員ではないけど、Dr…と付く人がいるみたいで。呪術?と薬草を使って、治療を行うんだそうで…。

 

 ま、このSunshowerが、カンドンブレ的なラテン圏のアフロ宗教の歌と似てると思うのは、私の主観だし、他にそういう情報は見つからなかったので、作者のコンセプトとは、違うかも?です。ただ、Dr. Buzzardというのは、多分、そういうブードゥーとかの司祭的な人じゃないかしら…。あと、バンド名からも、このバンドからニューオリンズのDr Johnへの、NYからの返答、の様にも感じたり…。

 ニューオリンズ周辺には、ハイチからの移民が、フランス領時代前後に流れてきたそうで、ブードゥーはそういったハイチ移民からの影響があるそうで。私も、数年前に、その事を知ったんでした。ハイチはブラジルのバイーア地方などと同様に、アフリカ系宗教が盛んな地区。あと、確か、ニューオリンズ近辺が、スペイン領だった時代もありましたよね。

 

 

 

Dr John Gris-Gris 1968年

 

参考の為に、ブラジルのアフロリズム、カンドンブレ的なリズムを使った曲を貼っておきましょう。アフロリズムをよく使ってる、カエターノ・ベローゾのこの曲。アフロなリズムを使いつつ、ポップな仕上がり。

偶然だけど、この曲の、パーカッションだけで歌い始める箇所で、子供のコーラス(カエターノの息子のモレーノの歌)が入る感じとか、Sunshowerのイントロの子供コーラスの導入部と、ちょっと雰囲気が似てたり…。偶然気付きました~。これを聞いた後で、Sunshowerを聞き比べてみると、面白いですよ。

Caetano Veloso – Um Canto de Afoxé Para O Bloco do Ilê (Ilê Ayê) 

 

カエターノのその曲の主題となり、称えられたのが、カエターノの故郷のバイーアの州都サルバドールの、Ilê Ayêというグループ、ブロコ・アフロ。ブラジル音楽の中でも、トップクラスで、大好きなグループです。彼らのアルバムは、他のブログにも繰り返し書いてますが、どれも本当に素晴らしい。

 このグループに居たネギ―ニョが作ったバンド、Olodumが生み出したサンバ・ヘギ的なリズムを使ってて、スルド等のパーカッションを使っていて、カンドンブレのリズムそのものではないですが、イレアイエの音楽は、やはりカンドンブレなどの、アフロリズムが基礎のバンドだと痛感します。

 

Depois Que o Ilê Passar

 

 ブラジル音楽の有名な曲の中で、カンドンブレのリズム的な曲と言えば、この曲を思い出すかな…?(有名でない曲では沢山あるけど)。クララ・ヌヌスとクレメンチーナ・ジ・ジェズスによる、こちらの曲。Clementina de Jesusは、アフリカ直系的なアフロな曲を沢山歌った事で知られる、恰好いー歌手。大好き。この歌の中で出てくる、Mininha do Gantoisは、サルバドールに昔居た、カンドンブレの有名な女性司祭の名前です。カンドンブレやアフロな曲で、よく歌われる感じの内容の歌詞スタイル。 

Clementina de Jesus e Clara Nunes Embala Eu

 

話が、脱線しまくってますが、このEmbala euの別ヴァージョンも貼っておきましょう。テレザ・クリスチーナ&グルーポ・セメンチのライブメドレー。こんな感じに、パーカッションだけで歌うアフロ曲が、恰好良くて、大好き!。

Teresa Cristina e Grupo Semente - Embala Eu / Samba de Roda / Chora,Vi

 

 

Embala euの歌詞を貼っておきます。短い歌詞だけど、久々にポルトガル語から訳してみました。前に読んだんだけど、割と簡単な歌詞です。ポルトガル語で歌われてるし(カンドンブレはヨルバ語をメインで使う)、歌詞の表現的にも、西洋のカトリック等の考え方の要素も垣間見える気がする。

 

 

Embala eu

 

Embala eu, embala eu
Menininha do Gantois
Embala pra lá, embala pra cá
Menininha do Gantois

 

Oh, dá-me a sua benção
Menininha do Gantois
Livrai-me dos inimigos
Menininha do Gantois

 

Dá-me a sua proteção
Menininha do Gantois
Guiai os meus passos por onde eu caminhar
Vira os olhos grandes de cima de mim
Pras ondas do mar

 

 

Embala Eu

 

Meninteinha do Gantoisよ

私を揺すって寝かしつけて

Menininha do Gantoisよ

あっちへ、こっちへ、私を揺り動かして

 

Menininha do Gantoisよ

あなたの恩寵を私に与えて下さい

Menininha do Gantoisよ

私を敵から解放して下さい

 

Menininha do Gantoisよ
貴方の加護を私に与え給え

私が歩むべき所へ、私の歩みを導き下さい

私の上から、その大きな目で見守って下さい

海の波へと

 

 

 自分が前に書いてたのをググってて、思い出しました。少し前にGumboでググって、偶然見つけたルイジアナのDave Bartholomewの、この曲のイントロとバッグのPercussionのリズムが、マンボと名付けられてる割に、イントロとか、ブラジルのアフロ宗教のリズム、イジェシャーのリズム、そのままでした。何でだろう…?。Dave Bartholomewは、Dr Johnのアルバム「ガンボ」のライナーに名前が出てくる。ロックン・ロール、ジャズの分野などで活躍した人。ファッツ・ドミノのブルーベリー・ヒル等のヒット曲を編曲した。よく考えてみたら、ニューオリンズのセカンドラインと、イジェシャーのリズムは似てますね…。あれは、やっぱラテン、アフロ系の影響なんですね…。

 

Dave Bartholomew - Shrimp and Gumbo

 

ijexaのリズムは、こちらとか。やっと、カンドンブレ式の演奏です。このCDが、殆ど唯一持ってる、カンドンブレのCDなんですよね。昔は、なかなかカンドンブレの音源が入手しにくかった…。キングとかの世界の民族音楽シリーズと、たまに出るヨーロッパ系レーベルとかの民俗音楽シリーズのCD程度だったのでは…。このCDは、カエターノ・ベローゾの奥様が経営してたナターシャ・レーベルからのリリース。こういう民俗音楽的なルーツ音源は、サンバなどのアフロルーツの音楽の人気があるブラジルでも、売れないのだと思います。ゼカとかの例外はあるけど、基本的に、日本と同じで、リオやサンパウロのサンバの人気グループも、どっちかというと、アフロルーツの濃い音楽は、メガヒットは出さなくて(サルバドールのオロドゥンなどのAXE系ブロコやバンドは、AXE全盛期に、メガヒットを飛ばしてましたが…)、マニアックなルーツ系のサンバのアーティストは、初期プレス1000枚とか、そういう感じでした。イレ・アイエのアルバム25ANOSもナターシャからでした。

 

 が、これも断らないといけないけど、イレアイエとかは好きだけど、本当に雑な知識しかないので、私がアフロブラジル宗教音楽について語るのも、恐縮で…。間違った事も書いてる気がします…。この曲の背景がすごく気になって、勢いでブログに書いてしまったけど、本当はブラジルのアフロ宗教音楽、カンドンブレや、米国のブードゥー系文化の知識のある方に、このDr. Buzzard's Original Savannah BandのSun Showerについての背景と解説を再度、書いて頂きたくて…(ぜひ、そういう分析、文章を読んでみたいです。私の推測と分析が、どこまで合ってるんだろう?と気になるので。ネットで英語のそういう分析を探したけど、見つからなかったという…。多分、マニアの方は、この曲の背景の本当の所をご存じのはずだし、ヒスパニック系文化が浸透してきた今の米国では、その辺りの論壇や大衆文化の分析も増えてるはずなので…)。

 カンドンブレに専門的に詳しい方やサイトは、今はネットで探すと日本語でも幾つか見つかりますので、詳しい所はそちらを参照ください。ヨルバ語自体も、他のアフリカ系のケトゥ系言語とか、部族の違い、各部族のアフロ文化の音楽の違いとか、まるで分かってないです。

 

 

 

この曲のbackgroudで検索したら、↓こちらが。ラブソングの形だけど、歌詞の主旨は、人生での困難の中で出会った幸せ、希望などの事を歌ってるそうで、それは私が感じた通りかな。

 

https://oldtimemusic.com/the-meaning-behind-the-song-sunshower-by-dr-buzzards-original-savannah-band-2/

 

コチラにもSun ShowerのBackgroundの事が書かれてるみたいで(まだ、全く読めてないけども)。当時、このバンドのマネージャーだった、ソニーミュージックの元会長Tommy Mottolaの名前が記事タイトルに出てる(笑)。

 

 

 

 

[追記2023年12月]

Sun Showerは1992年に商業的にヒットした、アイスキューブ出演の米国映画、「Boyz n the Hood」で使用されたけど、サウンドトラック未収録。映画の監督シングルトンはアフリカ系米国人で、wikiによると「監督賞ノミネートは史上最年少の24歳であり、またアフリカ系アメリカ人初」。知らなかった…。才能がある方なんですね。ワイルドスピードの第二作を監督してる。残念ながら、2019年に亡くなったそうで…。

 

 

Ijexaのリズムと言えば思い出す、バイーアのAfoxé Filhos de Gandhi-Rioの動画。なぜか、リオでのライブ映像。

Desfile do Afoxé Filhos de Gandhi-Rio | Av Rio Branco 2013

 

 こちらの音源の方が、さっきのバーソロミューのリズムとの類似点が、分かりやすいかな…?。Filhos de Gandhiのアルバムの動画。イレ・アイエよりも、Filhos de Gandhiの方が、バイーアのcarnivalの行進では、歴史が長いのです。とは言え、大昔のカーニバルでは、黒人だけのカーニバルのグループは禁止されていたのですよ。それを破って、黒人グループのパレードを行ったFilhos de Gandhiの偉大さを感じて頂ければ。2分30秒過ぎのイントロとか、カンドンブレの時のリズム!って感じ。

filhos de gandhi afoxé 

 

カンドンブレ系のリズム、Ijexaの説明が、自信が無いので(間違ってそうな気が…)、これも合ってるかは分からないけど、ポルトガル語のIjexaのwikiを貼っておきます。

 

 カンドンブレの動画も、探すと今は沢山あるので、そちらを参考にしていただければ。カンドンブレの音楽は、基本パーカッションのみで、バリエーションも豊富で、メロディを感じるようなキャッチーな曲もあれば、同じリズムが反復する、眠くなるような単調な曲もあって、様々で。パーカッションだけと言っても、色んなリズムパターンがあって、アップテンポの曲から、ゆっくりしたテンポの曲まで様々。書きつつ、雑な説明で、冷や汗書きます…。神が沢~山居て、その神ごとに曲が決まってて。日本の伝統芸能と似た感じで、こういうカンドンブレの演奏を習ってた人の中から、MPBなどの楽器奏者が出てくる事もあるし、何よりも、リオのサンバは、こういったアフリカ、バイーアからもたらされたアフロ系の音楽の中から生まれたので(リオのサンバ黎明期の話ですね。詳しくは、Tia Ciataの家に集まった人々の事とかを検索してみて)、ブラジルの音楽土壌として、大変大きな文化です。今のリオのアフロ宗教は、カンドンブレというより、それから派生したアフロ宗教が主体になってますけども。ここら辺の話は、それだけで又長くなるので、別にブログを設けないといけないですが…。サルバドールのアフロ音楽よりは、私はリオの方がメインフィールドなので、もう少し知識があります…。

 

こちらの動画は、音がわりとクリアで聴きやすい。カンドンブレのテヘイロ(※カンドンブレの儀式を行う場所)などが、今は動画を投稿してたりして、カンドンブレの音楽へのアクセスも、外国人にもかなりしやすくなってる。

 

Oxumare 20 03 2022

 

 

偶然見つけたこちらの動画は、アフロ的演奏と歌がとても濃くて、とても恰好いいー。&子供がIansaをやってて、カワイイんですよ。子供が演じるのは、初めて見ました。こうやって小さい時から踊ってると、リズムが体に身につくでしょうね…。

RUM DE IANSA - IGBA ASÉ OBÁ INÃ L'ARO

 

 

こちらは、海外でリリースされたCDか、ネット用のデモンストレーションの演奏。クリアな音で聴けます。Ogumの曲。Vassiというのが何かわからなくて…。

 

 Vassiというのを初めて聞いたら、こちらのサイトによると、candomblé de nação ketu、Ketu民族系のカンドンブレでの、リズムの呼称とのこと。↓英文で書かれてる。アメリカの大学の学生と、教師の二人がやってるサイトで、Pod Castを開催してて、文字起こしが掲載されてる。カンドンブレから始まって、Maracatuと進み、Forroにえらい割かれてるので、ノルデスチが専門なのかしら?。

 

https://massapodcast.org/episodes/tag/vassi

 

 

 

 Kid Creoleが居たバンド。何というか、クレオールという言葉を知ったのは、キッド・クレオールの名前からで。勿論、その後長い間、クレオールの意味は知らなかったんだけど、このDr. Buzzard's Original Savannah Bandほど、クレオールという概念を体現したバンドは、なかなか無い気がする。勿論、ラテン系やジャズのバンドなどで、そういう音楽性のバンドや音楽家は沢山いるけれど、↓この動画を見たら、76年にして、ニューウェーブというか、パンクっぽいムードもあって、なるほどなぁ…と思ったり。Kid Creoleは、NYのブロンクス育ちだそうで。ブロンクスは、黒人以外に、というか、黒人層でも、カリブ海移民などのラテン系移民が多く住んでたらしく、その環境からRapが生まれた訳で…。

 バンドメンバーが、MGMのミュージカル映画みたいな、レトロな洋服や服装をしてたり(Kid Creoleが着てるブカブカのスーツは、キャブ・キャロウェイみたいな、ズートスーツですかね…?。有名な話だけど、彼はキャブ・キャロウェイが好きでしたよねー。後でリンク貼ったブログで知ったけど、キャロウェイが出てたStomy Wetherを子供の頃に見て、Augastはすごく影響を受けたのだそうで)、そんなミュージカル映画に出て来る楽団みたいなバンドのボックスがあったり、ヴィブラフォンとかピアノのレトロな雰囲気とか、いちいち演出が微に入ってて。あと、白いグランドピアノの下に、犬が居るんですよー!(笑)。その犬もメンバーらしくて、それも含めて、イチイチツボです。音的には、私は、Kid Creoleよりも、Dr~の方が、断然好みで。

 私は、古い音楽や映画が好きで、30年代のフレッド・アステアのTop Hatとかの古いミュージカル映画が大好きで(ミュージカルは戦前の映画しか、好みじゃないですねー)、あと、音楽も、20年代とか30年代の音楽が、米国でも、ブラジルでも、一番好きなので、すごい、そのレトロ趣味に共感する(バンバンバザールの「歌は廻る」のライナーで知った、色川武大の本「唄えば天国ジャズソング」の戦前ジャズやミュージカル映画の話とか、超共感してしまう。色川さんと同世代と言える、ジョアン・ジルベルトがひたすらカバーし続ける、戦前などの古いサンバも本当に好きで、何度も書いてるように、ブラジルの古い音楽復刻レーベルRevivendoの愛好家です…)。勿論、彼らのNW的な新しい観点がミックスされてるんだけど。で、ビックバンドも、フィーリーなディスコも、両方好きだから、両方を混ぜたようなこのバンドは、そりゃツボる訳です。他にも、こういうバンド居ないかしらん…。あんま聞いた事ないですよねー。ディスコ系のアーティストは多いけど…。

 そういった新しい観点から、レトロさを構築するのが、New Waveっぽい。76年って、もうそういうバンドが居たんでしたっけ…?。クラフトワークのアウトバーンが74年だから、そんなもんだっけ…?。ブロンディの1stが76年末かぁ…。あんまNWって、それほど詳しくない気が…。

 あと、ジャンルは違うけど、同時代の77年のサルソウルのロレッタ・ハロウェイのRunawayのアウトロで、ヴィブラフォンソロのままフェードアウトするのと、音の雰囲気が微妙に似てる気がします。あっちが後ですが…。あの曲も華麗なストリングス入りだし。音階というか、ハーモニーというか、あの曲とストリングスの雰囲気が似てます。Run Awayが、コレの影響を受けたのか、それともあの手の音楽には、ありがちなストリングスアレンジなのかな…?。

 

犬がグランドピアノの下に居るのは、この動画。

Dinah Shore / Sean Connery present Dr. Buzzard's Original Savannah Band (Cherchez la Femme)

 

 

 曲はよく知ってるけど、何の曲か分からなくて気になってたのは、他には、はずかしながら、スティーリー・ダンのVoのNew Frontiaですね…。これも10年前くらいにようやくタイトルとアーティスト名を知ったんでした(笑)。相当昔から、繰り返し聞いてたんですが。AOR系のアーティストのアルバムは、なぜか少し前まで、あまり聞いてませんでした。

 

 

近年のライブ、Kid Creoleの方だけど、これも、良いですね。Dr~時代の曲。タイトンアップとか引用してたり。

 

 

 Kid Creole&the Coconutsって、日本のウィスキーのCMに出てたんですね、そう言えば。83年だったそうです。見た覚えはある。これで、彼らの名前を覚えたのかも。

Kid Creole & the Coconuts - Black 50 (Version 1)

 

 

 

※以下は、このブログ書いた時に書いてて、あちこち話題が飛んで、長くなります…(笑)。NW系の話に移って、アフロ系の話は、↑までです。

 

マニアックなニューウェ―ブのバンドでウィスキーのCM作るとか、相当な技だな。ーと思ったら、これ見て思い出した。スカバンドのマッドネスも、日本のCMに出てましたねぇ――。突然記憶がよみがえる…!。そのホンダシティの車のCMは、81年?だそうで。でも、何となく感覚が似てて、同じCM制作会社だったりして…。

 つーか、80年代のお茶の間のCMは、えらいマニアックな人が、今思うと、出てましたね…。デビッド・シルビアか誰かも出てませんでした…?。他にも、確か、変わったマニアックなな文化人系の外国人が出てた。金があったっつーのもあるけど。外国人がオリジナルCMに出てた。

 

 海外のニューウェーブ曲と海外タレントのCM出演について、ここに色々書かれてる。デビッド・ボウイが酒のCMに出てたのかー。TV見ないから、まるで気付いてなかった。あとバウ・ワウ・ワウのメンバー出演とか。

 

 こっちにもリストが。私が、そんな人が80年代のCMに出てたのか!と驚いたのは、思い出した、ライ・クーダーでした。びっくし。少し前に、動画で見て驚きました。ライ・クーダーは、すごくファンです。話がズレた…。

 

 

Sunshowerについての情報を、ネットでググった時に見つけた、すごく濃い内容のブログが、すごく面白かったです。筆者はミュージシャンで、音楽知識が深いので、為になる…。

 

 

 

 同じブログの、Augast Darnellの関わったZEレーベルの話が、めちゃくちゃ面白くて、しかもKid Creoleを今までスルーしてきたので(NWも、NYパンクも疎いんです…)、そうだったのか!という話ばかりで、目から鱗でした。そもそも、このレーベルが作られたきっかけが、アート・リンゼーが居たバンドを収録した、ブライアン・イーノプロデュースの、あのNo New Yorkの作成で、このZEレーベルもブライアン・イーノらと縁が深いと書いてあったので(レーベル主は、ヨーロッパ系のジャーナリストだそうで。知らんかった…)、やはりAugast Darnellの、すごくハイブリットな精神が伝わってきたんでした。Kid Creole&the Coconutsもそうだけど、ビック・バンドや古いバンドやちょっとしたNWが好きな人じゃなくて、インテリなパンクの人なんだなーと…。話の中には、アート・リンゼー、ブライアン・イーノ、ビル・ラズウェルと言った高手の名前がズラリと並んでて、仰天しました…。知らなかった…。さらに、ハウスの発祥と関わったパラダイス・ガレージの名前も出てきたり、とにかく何でもある訳です。


 このHP主の、アーティストCold Feetの名前を、不勉強ながら、知らなかったんですが、文章を書いた方は、年齢から推測して男性の方で、Watusiさんとおっしゃる方。ミュージシャンとは言え、桁外れな知識量だなぁ…と思って、ググったら、今、いとうせいこうさんのバンドとかにいらっしゃって、80年代末~90年代から音楽活動されてたんですね。

 

 最後に、また話が飛んで、ソニー・ミュージックの会長だった、有名なTommy Mottolaが、このDr. Buzzard's Original Savannah Bandのマネージャーだったそう。彼は、一般的には、マライア・キャリーの元夫、今の妻はメキシコ人のラテンポップ有名歌手のターリアとして知られてるかも?。wikiに書いてあったけど、Dr. Buzzard's Original Savannah Bandの曲Cherchez La Femmeの冒頭の歌詞で、彼の名前が出て来るそうで(笑)、またホール&オーツのマネージャーでもあったそうで、彼らもMottolaに捧げた曲を作ってるそうな。&Tommy MottolaはNYのブロンクス出身のイタリア系だそうで、ブロンクスって、やっぱ文化の坩堝(るつぼ)な所なんだなーと改めて感じた。