令和6年5月21日 大阪市会 都市経済委員会より、万博関連の陳情書に対する自民・前田和彦委員の質疑を書き起こしました。

動画はこちら。

https://youtu.be/vqEbRn4lCck?t=5995
前田和彦委員配付資料(PDF)|大阪市会

https://doc3.gikai-web.jp/pdf/2024/20240521maeda2.pdf

 

1:39:55~

前田委員:私の方からもですね、万博の陳情に関連して質問させていただきたいと思います。

 

先ほどもですね、各委員の方から、特にその万博に関連する赤字・黒字の話とですね、あと爆発があったという事実を踏まえた質問があったと思います。私もその点をですね、質問していきたいと思いますけども。

 

まずそもそも万博の運営費が赤字か黒字かなんですが、運営費って1,160億円なんですね。で、1,160億円が結局どう賄われるかのそもそも論なんですが、チケット収入とその他収入に分かれるということなんですね。

 

チケット収入。つまりチケットが売れなければ赤字になるんです。その他収入っていうのは後ほど答弁でもいろいろ出てくるんですけども、ほぼほぼチケット収入になる。9割方がチケット収入ね。これが要は売れるか売れないかって、おそらくその今足元で、先ほど各委員が答弁されたように、機運醸成で楽しみやなと。万博に行きたいなという方が当然多ければ多いほど、前売りチケットは売れるし、だけど万博に行ったらこれ危ないんちゃうのかなと思うと、さすがにちょっとやめておかなあかんなとなると思うんですね。この辺の本当にその機運醸成の部分と不安の払拭っていうのが足元で一番重要だと思います。

 

その辺なんですけども、ちょっとまずそもそも論なんですけども、チケット収入の水準というのが、要は何枚売れたらいいんだというところのですね、そもそも論をちょっと確認したいんですけども、まずそのチケットの販売目標、そして前売り券でどの程度の販売を目標としているのか、そして足元のチケットの販売状況、この辺をまずお伺いしたいと思います。

 

 

課長:お答えいたします。博覧会協会の資金計画では、運営費1,160億円のうち入場券収入969億円、ロイヤリティとその他の収入191億円で賄うことを想定しております。入場チケットの販売目標といたしましては、2,300万枚で、そのうち60 %の1,400万枚を前売り販売で目指しております。資金計画策定上、入場券収入の969億円の見込みは、想定来場者数約2,820万人の約80 %、約2,200万人を前提に堅めに算出したものとなっております。

 

なお、入場チケットの販売状況につきましては、令和6年5月15日時点で196万8,110枚となっております。以上でございます。

 

 

前田委員:配布資料をですね、ちょっと見ていただきたいんですけれども、ちょっと頭の整理をちょっとしたいんですけれども、これまずですね、一枚目の資料を見ていただきますと1,160億円のこの資金計画の、この表になってます。

(資料1枚目)

この資金計画の表の中にですね、支出に運営費1,160億円というのがありまして、それをじゃあどうやって確保するのというと、入場券売上969億円、その他収入191億円。この二つで賄うんですね。これが賄いきれなかったら赤字になるよと。これ以上チケットその他収入が増えれば、黒字になるよと。こういう議論なんですね。

 

ほぼほぼ見ていただいたら分かるとおり、このその他収入っていうのは何かというと、飲食であったりとか物販であるとか事業者さんが来てらっしゃいますけども、その分のロイヤリティが一部入るというのがその他収入になっています。見ていただいたらわかる通り、9割方が入場券の売り上げが立つかどうかで、まあこの赤字か黒字かが決まるということなんですね。これ一枚目の資料です。

 

 

その次の資料をちょっと見ていただきますと、

(資料2枚目)

これ入場券の売り上げなんですが、皆さんご存知の通り、万博っていうのは想定来場者数が2,820万人想定です。で、この969億円っていうこのチケットから得られる収入なんですが、これ前提がですね、2,200万人が来たら969億円のチケット販売がありますよと。これが実は前提なんですね。なので2,820万人来た場合のチケットの想定ではなくて、保守的に見積もって2,200万人来てもらったら969億円入りますよ。逆を言えばですね、2,200万人切ってしまうと赤字になっていきますよということの証左かもしれません。

 

それがですね、この表で見ていただいたらわかるんですね。23年12月という数字の欄がありますが、先ほど申し上げた969億円。110億円とか81億円。で、合計1,160という記載があろうかと。そういうことです。

 

 

で、その次のページを見てください。

(資料3枚目)

はい、ここからですね。要は先ほど答弁でありましたが、これまあ真ん中の緑の表があります。これ実は愛知万博の時のチケットの販売の実績なんです。まあ当時愛知万博では2,200万人の方が来られました。そのうちこの方々が来られたら1,720万枚のチケットが売れましたということなんです。これは数字に換算するとですね。来られた人に約8割かけるとチケットの枚数が出てくるようになっています。来た方の8割ぐらいがチケット販売枚数ですね。そう考えるとですね、2,820万人、今回万博で来られるということで計算すると、チケットの販売枚数2,300万枚、約これ8割、8掛けになっています。

 

そしてその場合なんですが、これ愛知万博の時っていうのは、前売り販売が、55 %の方が前売り券購入者なんですね。で、開催始まってからが45 %、つまり55対45なんですが、今回その万博で前売りでさばこうとしている数。これが1,400万枚。ここまで到達しておけば、非常に達成が見込まれる数字になっているということなんです。ここにですね。先ほど答弁にありました。今現状、足元で何枚売れてるのか、すごく丸めた数字でいきますと、200万枚です。200万枚、今足元で売られている。

 

これ、じゃあ赤字になるならない、先ほど保守的に見積もると、2,200万人が来なかった場合、赤字になり得るという話を先ほどしましたが、じゃあ2,200万人を、これチケットの先ほど申し上げました、過去の想定でいくと、8割がチケット販売が見込まれた場合に達成できるということになろうかと思いますが、それで行くとですね、約1,840万枚ということになってこようかと思います。現状、やっぱり足元でですね、九分の一ぐらいが売れていっているということでしょうけれども、まだまだ道のりは遠いんだろうと思います。

 

で、そこをですね。踏まえながらですけれども、やっぱりこのまず目標数値1,400万枚達成するというこの目標を、前売り券段階でやっぱり達成しておくことっていうのが非常に重要なんだろうと思います。そこは先ほど申し上げました、機運醸成もそうです。不安の払拭というのは非常に重要だと思います。ここなくしてですね、やっぱりこの万博のですね、本当に開催前に、行きたいなと思っていただける方を増やしていくには、もうそこしかないんだろうというふうに思います。

 

一方でですね、これ大阪市については、これやっぱりこの国、そして博覧会協会と連携して運営費の執行状況、まあ確認、検証っていうのをいただきたいというふうに思ってますけれども、これまあ前回の多分答弁でもあったかもしれません。やっぱりこの財政が非常に前も非常にコストが上がった時に議論になりました。あれも逆に言ったら、市民の方、国民の方に不安を与える要因だったかもしれませんけども、その辺のですね、執行状況、確認・検証、これ現在どんな感じになっているのか、ちょっとお聞かせいただけますか。

 

 

課長:お答えいたします。運営費につきましては、博覧会協会にCFOを設置し収支をしっかり管理するとともに、運営費執行管理会議を四半期に一回開催される定例の理事会の間に少なくとも一回開催することとなっております。チケットの販売状況や支出金額と内容、支出要求政策等について協議することとなっておりまして、府市としても必要に応じ改善策等を求めております。また、経済産業省のもとに外部専門家で構成いたします予算執行監視委員会も設置されまして、府市もオブザーバーとして参加し定期的に継続的に点検を行うこととなっております。引き続きこうした機会を活用いたしまして、国、博覧会協会と連携して運営費の執行状況の確認・検証を行ってまいります。以上でございます。

 

 

前田委員:これは次のですね、配布資料4枚目見ていただきたいんですけども、

(資料4枚目)

これが実は運営費執行管理会議というものの立て付けになっています。博覧会協会の方から状況を説明して、理事会が開かれる前にですね、この運営費執行管理会議というのを開きまして、そこでチケットの販売状況、つまり先ほど申し上げましたこの目標に対してどれぐらいチケットが売れてて、逆に言ったらその進捗状況によってはですね、これこのままだとまずいなとかですね、わかるようになっているわけです。逆に運営費がちょっと支出が多いなとかこの辺をですね、どうやって抑制しようかとかっていうことがこの管理会議の中で議論されるということなんですね。

 

やっぱりこのチケットのこの販売状況っていうのもですね、これ逆に言ったらその協会とか様々いろいろ売る仕組みはありますけども、これも市も、やっぱりそこに対して何か貢献していくべきだと思いますし、積極的に販売の、そういう取り組みを進める必要があろうかと思います。

 

 

後半はですね、その懸念の払拭について話しますけれども、まずやっぱり、その購入の促進に向けた市の対応、この辺どんなふうに考えているのかお聞かせいただけますでしょうか。

 

 

課長:お答えいたします。入場チケットの販売目標を達成するためには、一人でも多くの方に、万博に行ってみたいと思っていただけるよう、会場整備の進捗状況やバビリオンの展示内容など、万博でどのような体験ができるのか具体的な中身を発信していくとともに、誰もが入場チケットを購入しやすい環境を整えることが重要と考えておりまして、本市といたしましても、引き続き国や博覧会協会等と連携しながらしっかりと情報発信等に取り組んでまいります。以上でございます。

 

 

前田委員:まあ、もうあのここからは、これが見たいから万博に行くんだという方をもう増やしていくフェーズなんだろうと思います。だからやっぱり、このパビリオンではこれが見れるから、それは行かなあかんなとか思ってもらわなあかんのかなと思いますし、逆に言ったら、こんな体験ができるんやったら、そら私も行ってみたいとか、そこのフェーズに入ってきてるのかなと思いますので、まあそういう中身の発信ですね、ここをぜひとも連携しながらやっていただきたいなというふうに思います。

 

 

で、過去の1970年の時の万博なんですが、当然黒字なわけですね。黒字なんですけども、その時は皆さんもご存じの通り基金を立ててるんです。その黒字になった部分をですね。基金を立てて、今現在、広域財団法人関西大阪21世紀協会が管理をして、様々な分野にそのお金が使われていっているということで、そこを踏まえるとですね。各いろんな国の大きな万博なんかがあったときは、だいたい黒字の場合、基金ができるんですね。

 

一方で、じゃあ赤字の場合はということなんですけども、ここはやっぱ国民的にも非常に確かに関心があるからこそ、この議会でも議論されていることだと思います。当然赤字になることを想定してこのイベントをやるわけではないんですけれども、やっぱり黒口になったところ、そして赤字になったところ。そこはやっぱり国と何らか協議をして、いずれかのタイミングでやっぱり整理をする必要があるんであろうと思います。なので、そのことはですね、やっぱり申し上げておかないといけないかなというふうに思っています。

 

 

そして先ほど機運醸成の話をしましたけれども、一方で爆発のまさにそのガスの爆発事故に関してなんですけども。先ほども事故の原因とか再発防止策とか様々の質疑がされましたけれども、やっぱり普通に考えるとですね、私もちっさな子供を持つ親なんですけれども、さすがにちょっと爆発事故が起きてしまうとですね、普通の親の感覚からすると、あのちっちゃい子供大丈夫かなとか、あるいはそれは子供だけに限りませんね。大人もそうですね。やっぱそれだけ聞くとですね、やっぱり不安に感じるのはこれも当たり前かなと思います。だけど、その事実っていうものがですね。何なのかということと。あとは要は大丈夫だよって言ってもらわないといけないと思うんですよね。どっかのタイミングで。それは協会もそうですし、市もそうですし、やっぱりしかるべき発信力がある方が、大丈夫ですからということを明確に意思表示できるような、そういう状況に持っていかないといけないと思います。

 

まず、ちょっとそもそも論になるんですけれども、これグリーンワールド、加熱性のガスが発生するんですけども、ちょっと整理のために聞きますが、これなぜ発生するのかを改めて教えていきますか。

 

 

課長:お答えします。会場予定地であるグリーンワールドは、廃棄物処分場である夢洲一区のうち、廃棄物埋め立てが完了し、省令に基づく*とされた区域において整備されており、埋め立てられた廃棄物からは微生物の有機物分解反応により、一定期間、可燃性のあるメダンガスが発生いたします。環境局からは廃棄物処分場のガスにつきましては、国の省令において通気装置を設けて埋立地から発生するガスを排除することと規定されており、夢洲一区における廃棄物処分事業を行っている大阪広域環境施設組合において、ガス抜き管を配置し適切に管理していると聞いております。以上でございます。

 

 

前田委員:答弁のあった通りですけれども、いわゆる大阪広域環境施設組合でガス抜き管設置して廃棄物処分事業を行いながら適切に管理をしているということなんですね。なんですけれども、これこういういわゆる大きな国際的行事になるわけですけども、こういうものにそういう廃棄物の処分場というのが過去使われたケースがあるのかないのか、つまり今回のようなですね、こういう万博のような、このケースというのが、これ初めてなのかということも含めてですね、ちょっとだけ確認したいんですけれども、いわゆる大阪広域環境施設組合が適切に管理していますということで、可燃性ガスが発生するようなですね、そういう廃棄物の処分をしてた場所で、人が集まるようなイベントを実施した事例というのはあるかないか教えていただけますか。

 

 

課長:お答えします。すべての廃棄物処分場の埋め立て後の利用を承知しておるわけではございませんが、例えば本市の廃棄物が埋められている花博記念公園鶴見緑地で、1990年に開催しました国際花と緑の博覧会や大阪湾フェニックス事業による廃棄物の広域処分場においても、廃棄物埋め立ての終了した一部の区画を野外コンサートなど多くの人が集まるイベントにも使用されております。以上でございます。

 

 

前田委員過去にですね、私も知りませんでしたけども、この鶴見緑地で行われた国際花博。これも実はその廃棄物の広域処分場としてですけれども、そこも使われていた。フェニックスでもコンサートやっているらしいんですね。結構、多くの方々が集まる場所としての利用も過去にされているんです。

 

ただ、だからといってどうかということもあるんですけども、やっぱり今回起きたことは事実なので、しっかりと対策を講じて明確に安全だと、先ほども答弁いろいろ聞いてましたけども、なんか協会がとか、どこそこがじゃなくて、市としてもですね、これ明確に協会の理事、市長なられていらっしゃるわけですから、ちゃんとこの対策を講じた上で、安全ですと言い切ってもらう必要があるんではないかなと思います。

 

そうしてあげないと、例えば1%でも危ないですっていう状況であればですね、それは機運醸成だけじゃなくて不安の払拭につながらない。絶対大丈夫ですって言ってもらわないと、それは多くの方々が不安に思う状況っていうのは変わらないというふうには思います。

 

だけど、その状況をしっかりと国と連携しながら作っていくということが大事だと思いますので、そこは市の方もですね、他人事じゃなくて土地の所有者ですし開催都市なわけですから、そこは国と連携してしっかりとやっていただきたいというふうに思います。

 

 

このですね、夢洲一区。廃棄物埋まっている場所ですけれども、これ万博会場とすることについてのまず市の見解、そして先ほど申し上げました、やっぱりこの入場チケットの販売目標っていうのは、今回のこの不安の部分を取り除かないと、なかなか目標数値まで僕達成することって厳しいんじゃないかと。このままずっと、そういえば爆発起きたよねって、危ないよねっていうままではですね、そこはやっぱりその万博、本当に行きたいと思う方がいつまでたっても増えないという状況は、これも払拭してしっかりとそういう状況をですね、作っていかないと、万博の成功なんてありえないと思いますから、どんなふうに協会と連携しながら、来場者の安全の確保を行っていくのか確認をしたいと思います。

 

 

万博推推進局長:先ほどもございましたけれども、廃棄物が埋められているところでも、地中から可燃性ガスが発生することを前提に対策を講じて活用されている事例はございまして、万博会場のグリーンワールド工区につきましても同様と認識しております。

 

現在、博覧会協会では会期中の安全対策として、専門家の意見を聞きながら、グリーンワールド内の建物につきまして、換気設備の見直し等について検討を進め、さらなる安全確保に取り組むこととしております。

 

入場チケットの販売目標の達成をはじめ、万博の成功に向けまして、来場者に安心して万博を楽しんでいただけるよう、本市といたしましても、博覧会協会が進める安全対策の内容やその実施状況をしっかりと確認いたしまして、適時適切に情報を発信してまいります。

 

 

前田委員:局長に答弁をいただきましたけれども、国の方でですね、そういう協会もですね、安全対策の内容というのはしっかりと出てくると思いますけれども、その内容をしっかりと発信をしてですね、そして不安の払拭を図っていただき、そして、これからは機運醸成を、いろんな内容を発信することで中身を伝えることで、多くの方々に来ていただけるような、そんな万博になるように心から祈念いたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

 

(※誤字脱字はご容赦を。正確な情報は公開動画をご覧ください。)