匝文俳諧/しりとり駅伝双六 初冬 | ouroboros-34のブログ

ouroboros-34のブログ

こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

匝文俳句のシリーズ再開です。ルールを確かめておきましょう。
①一句の中に正逆読みの二つの俳句がある二重構造の俳句です。②句正読みで前半、逆読みで後半のシリトリになること。
③イロハ順 きょうは、「わ」-「か」(「わ」に始まり「か」でおわる俳句)。次回は「か」-「よ」。
④季節は連句のきまりを守る。
ではご覧ください。

忘れ花/この訪ひ詠めや/田は月か     (初冬)
 わすればな このとひよめや たはつきか
垣つ端/やめよ人の子/隠れずわ      (雑)

季語:忘れ花・初冬。
忘れ花(わすればな):小春日和に咲く時ならぬ花。狂い咲き。帰り花。桜・梅・梨・杜若(かきつばた)など。
隠る(なばる):動詞ラ行四段。隠れる。
わ:【終助詞】文末に用いられた係助詞「は」の転。活用語の終止形に接続する。軽い詠嘆や驚きの気持ちを表す。「よくやるわ、あいつ」

おや、かきつばたの帰り咲きじゃないか。一句詠んでおこうか。「田は月か」でどうだい? 
狭い垣の露地で子どもに出っくわした? 吠えないで隠れなさい。なに?隠れるところが無い!?

 「かきつばた」といえば在原業平の物名歌(もののなうた)が有名ですね。

から衣 きつつなれにし つましあれば はるばる来ぬる たびをしぞ思ふ
               (古今和歌集・伊勢物語)
各句の冠に「か」「き」「つ「ば」「た」を詠みこんであるのです。そこでここでは回文は回文なりに「隠し題」を趣向しました。「田は月か(たはつきか)」でした。「かきつばた」の逆読みです。

どうですか? タイクツですか? もうすこし源氏物語をしますか? ゲンジも退屈だ? どっちもやめろ~! チョットチョット、お客さん…