ビックリ! 源氏物語のヒ・ミ・ツ コジツケ匝文短歌 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

匝文短歌(二重構造。一首で二首入っている短歌)もしりとり双六も、長丁場でアキてきました。中休みをしましょう。
源氏物語が評判のようですから、今日は「オモテ/ウラ紫」特番です。

 「夕顔」の巻の歌で、作中作者は、「光源氏」。
基歌《見しひとの けぶりを雲と 眺むれば ゆふべの空も むつましきかな
を匝文(そうぶん)短歌(以下、基歌をオモテとした「裏紫(うらむらさき)」と呼称)》につくり替えてみました。
 『源氏物語』夕顔の巻では、光源氏は寂れた某院に夕顔を連れ出すが、夕顔は物の怪(もののけ)に襲われて命を落としてしまう、というシーン展開です。
 (夕顔を火葬にした煙をあのひとの雲かと思うと、夕方の空も親しく思われる・・・)
という背景を持った和歌です。

裏紫の歌です。基歌をそっくり逆詠みした短歌です。逆読みすると別の短歌が現れる、いわば、二重構造(一首で二首)の短歌です。オモテ詠みは基歌のまま、ウラ詠みのみを以下に示しています。意味の変化を含めて読み比べてください。

ながき島 摘む妹らその辺 冬晴れむ
   鉋と杢居り 武家の訪ひし見

———ながきしま つむもらそのへ ふゆはれむ
     かなともくをり ぶけのとひしみ

妹(も):イモのイが脱落したもの。イモ。①姉妹。⑵妻。③女。男は兄(せ)。
辺(へ):(沖に対して)身近な海浜。
鉋(かな):かんな。板を削る大工道具。
杢(もく):大工。
 *
列島で木の芽を摘んでいる女たち、賑やかな笑い声にはどんよりとした冬も消え去って行くことだろう。大工の棟梁のところにお武家が入って行くところを見た。また将棋を指しに来たのだろう。———暖かい穏やかな冬だ。

古語辞典の力を借りながら、例によって逆読みをしてみました。
ビックリ仰天。別の短歌が現れたのです。夕顔のモノノケが現れたかと思いました。
調べて見たら10首位上あることがわかりました。源氏物語ってこんな隠し技を秘めていたのですね!オドロキです。
それにしても寒いですね。血圧計が上がりっぱなしです。
今日のキャッチはよくできていると思いませんか?
《ビックリ! 源氏物語のヒ・ミ・ツ コジツケ匝文短歌》
誇大広告ですって? ハイハイ……